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宝庫

2011-09-04

IFRSの本質

22:53

 

すっかり遅くなってしまいましたが、8/5に日本CFA協会主催のセミナーがありました。

「IASBの最近の活動状況 10年の活動を振り返って」というタイトルで、IASBの理事を10年間務められた山田辰巳さんの講演がありました。

 

山田さんのお話は数年前にベンダー主催の大人数のIFRSセミナーで聞いたことがあって、その時は単調につまらない話をする人だという印象でしたが、今回は違いました。

 

当時は立場上色々と言いにくいこともあったのでしょうが、今回は辞任後であり、少人数であり、質疑応答も含めてバシバシと気持ちの良い発言が続きました。

 

この中で強く懸念されていたのが、自見大臣のIFRSに対する消極的な姿勢。

特にコンバージェンスの方向性についてASBJの活動に委ねず企業会計審議会が議論するというのは、会計基準は民間に任せるという他国の流れと逆行する憂慮すべきことだというものでした。

私も会計プロフェッショナルとして動きをフォローしていかなければと強く思いました。(自見大臣なんて地味なので名前も知らなかった)

 

セミナー向けに少し準備せねばと読んでいたのが、知らないではすまされない マネジメントのためのIFRS

 

昨年出た時に図書館から借りてきたのですがほとんど読まずに返却。

今回あらためてしっかり読んでみたら、目からウ○コ。

 

IFRSは原則上場企業に適用されるわけだから、投資家のための基準であるというのは分かっているつもりだったのですが、分かっていなかったようです。

ゴーイング・コンサーンであるのに何でも時価評価、当期利益には興味が無く包括利益を重視というのは、結局のところデューデリジェンス会計だという著者の説明はとても腑に落ちました。

解散価値ではない。今売却するとしたらいくらになるのか。

 

投資家向けの会計基準なので、管理会計としては使えないと思った方が良いのであるし、例えば着荷基準が義務づけられるというならば、出荷基準で記録をしておいて、四半期末だけ保守的に売上を数日分取り消すという現実的な対応でというのも有りなのです。

 

新日本有限責任監査法人所属でこれほど自分の意見を全面に押し出した本を出すのも凄いなと思いました。

 

内容的には発売後一年経って古くなっている部分もありますが、その本質のところは未だに有効で、一読の価値有りだと思います。

 

また、IFRS反対のロビー活動をしていたのが新日本の子会社、新日本パブリックアフェアーズであったという話もあり、まだまだ目が離せません。

2011-07-11

CIA終了

00:10

 

7/2に茅場町の試験センターでPart 2を受験して、その場で結果が分かるでその場で合格を知りました。

これで免除になったPart 4を除く三つのパートを終了し、無事全科目終了となりました。

 

勉強を開始してから1年ちょっと。教材はWileyのみ。受験は英語。

 

英語では試験の後にアンケートがあってどの教材で勉強したのかと聞かれるのですが、最初に受けたPart 3の後のアンケートで、選択肢の中にWileyが無かったのにはショックを受けました。

最初にAmazonで3科目分のテキストを買っていたので途中から変えるわけにもいかず、結局最後までWileyで行きました。

これから受験される方にはお薦めしません。

2005年の版と書いてあるし...

2010-12-12

CIA Paper 3

10:36

 

昨日は茅場町CIAのPaper 3 の試験を受けてきました。

 

CIAというとアメリカ中央情報局(Central Intelligence Agency, CIA)がまず頭に浮かびますが、こちらは公認内部監査人(Certified Internal Auditor, CIA)です。

 

米国のIIAが運営している資格・試験ですが、日本では日本内部監査協会が運営しており、日本語でも試験が受けられます。

 

J-SOX法の辺りから日本でも認知・人気が高まっているとのことですが、資格予備校に踊らされている部分も無いわけではないでしょう。

 

仕事が監査に変わったので勉強を始めましたが、なかなかしんどい試験です。

 

・日本語で試験を受けることが出来るが、教材も試験も日本語訳がおかしい。

過去問が発表されていないことから、英語であっても参考書の内容が古い。

 

訳の分からない日本語を読むのと、スッキリしているが時間が掛かる英語で読むのとどちらが良いかということですが、海外とやり取りをすることも考えたら英語でやるのが良いだろうと考えました。そのうち日本語訳が改訂になったら今の訳語がごっそり修正になるだろうと言うリスクもあるでしょうし。

 

というわけで、勉強に使ったのは Wiley CIA Exam Reviewのみ。

 

 

試験はPaper 1 から Paper 4 まであって、どこから受けても良いのですが、Paper 3 がこれまでの経験・知識と近いかなと思って Paper 3を受けることにしました。 (Paper 4 は英国勅許公認会計士の資格で免除)

 

このテキストは出版が2005年となっていますが、内容はもっと古いような気がしました。

試験範囲に会計やITがあるのですが、IFRSへの流れが進む中でこんな会計処理やらないだろうとか、いまどきダイヤルアップでのネット接続とか、ブラウザーmosaic とか誰も使っていないだろうとか、ツッコミどころ満載ではありますが、受験生にとっては非常に不安が残るテキストです。

(本当にこれが出るとしたら、賞味期限切れの知識を身につけなければならない。最近の内容が出るのであればこのテキストは役に立たない)

 

とは言いつつこれしか頼れないので、752ページあるテキストをバラバラにして持ち歩き、全部で1883問ある問題をほぼ2回やって、半年くらい時間を掛けました。(3カ月で終わらせる予定だったのですがサボってました)

 

というわけで昨日受けてきました。(英語で)

 

試験が終わってその場で結果の速報を渡されるのですが、Pass と書いてあったので合格したと言うことなのでしょう。

採点作業がパスされてしまったということではないことを祈ります。

 

次はPaper 1か2か。Wileyは既に手元にありますが、またこれをやるのかと思うと気が重いです。

 

CFA試験における Schweser のようなアンチョコがあるのではないかと思うのですが。

 

2010-12-05

公認会計士の就職難

21:50

 

先日の記事「16歳で公認会計士試験合格の危うさ」は、同じく公認会計士試験に合格したバスケ日本代表の岡田選手にtwitterで言及いただいたこともあり、まあまあ読んでいただきました。

 

後半部分が16歳の彼には余計なお世話とのコメントもありました。

 

16歳の彼の目的が「公認会計士試験に合格すること」であれば、特に言うことは無いのですが、「公認会計士になる」ということであるとすると、高校生で試験に受かっても実際に監査法人に就職するのが大学を出てからと言うのであれば、それは制度がどうなんだろうと言うことだと思います。

高校生でも合格させるのであれば、高卒でも監査法人が採用するべきなのでしょうし、中学生でも合格させるのであれば中卒でも監査法人が採用すべきなのでしょう。

 

それが出来ないのであれば、受検資格に制限を設けるのが合理的だと考えます。IFACが大学入試資格レベルを会計士養成のプログラムに参加するための条件としているのは、試験科目以外に身に付けておくべきものが必要と言うことなのだと思います。

 

巷で公認会計士の就職難と言われていますが、実際には公認会計士試験合格者監査法人への就職難ということだと思います。

連結決算チームの採用をやっていましたが、民間企業経理部門での公認会計士に対する採用ニーズは高いと思います。

 

では、公認会計士試験合格者の就職難を解決するにはどうしたらよいでしょう。

 

私は英国の例しか知りませんが、新卒監査法人入社し、その後に会計士試験を受けて、受からなければ辞めていく。受かった人も(給料が安いので)資格を取って何年かしたら民間企業に出ていくというのが良いのではないでしょうか。

 

英国勅許公認会計士の仕組みで良いなと思ったのは

1.

・試験合格+一定の経験 -> 公認会計士

公認会計士 + 一定の期間 -> 監査証明にサインできる

ということで二段構えになっていることです。

これはUSCPAのCertificateとLicenseとも違うような気がします。(州によって制度が異なるので一般論では言えませんが)

 

2.

民間企業であっても上司に公認会計士がいれば、その指導を受けて必要な経験を積むことで公認会計士となるための経験として認定されること

 

 

日本でも民間企業での公認会計士の採用を増やそうとしていたようですが、公認会計士の採用なのか公認会計士試験合格者の採用なのかははっきりしてもらいたいところです。

もし公認会計士試験合格者の採用なのであれば、公認会計士となるための経験の認定が民間企業でも出来るように制度の緩和を検討する必要があるでしょう。

 

 

(日本の制度は良く知りませんので、間違っていたらご指摘くださいませ)

 

2010-11-23

そう言えば2005/2007年問題というのがあった 時代は国際会計基準 (IFRS)らしい (その34)

07:56

 

欧州上場している日系企業にもIFRSが適用になると言って大騒ぎした時期がありました。

たまたま当時日本の証券会社の経理にいたこと、たまたま以前ユーロ債の引き受けをやっていた時期があったことから、関連のEUの資料を20センチくらい読んだ時期がありました。

 

IFRSそのものと言うよりは、EU Directiveの解釈をどうするかという問題だったのですが、日本へのIFRS導入にもちょっと関係あるかも知れませんので、書いておきましょう。

 

IFRS上場企業に適用されるのですが、ポイントは「上場とは」ということでした。

 

1.何を上場しているのか

欧州においては、株式上場していないが債券上場している会社がたくさんあって、その中には日本の会社の現地子会社がたくさんありました。

また、いわゆるユーロMTNにおいては、プログラム上場しているが個別の債券上場していないケースもありました。

 

実際は限られた投資家向けのターゲットディールであっても、(日本の)投資家側の内規で「上場ものにしか投資してはならない」とある場合に債券上場にする必要があるのです。

 

と言うわけで、債券だけ上場していた企業が慌てたわけで、そこに乗じて、(EU Directiveの効果の及ばない)スイスシンガポールの取引所が「うちに上場しませんか」とセールスをしていたのでした。

 

日本の証券会社にいた私ですが日本の市場は良く分からないのですが、東証のページの社債上場基準(リンクはこちら)を見ると「社債等の上場審査基準としては、発行者については上場会社であること」とあるので、社債だけ上場という問題は起きないのですかね。

 

 

2.上場と取り扱われる取引所とは

EU Directiveが適用となる取引所がどこかということが問題になりました。

上に書いたように、他国の取引所からの勧誘が来ていたわけですが、結局債券について言えば、ロンドン、ルクスの証取がそれぞれEU Directiveの適用を受けない「プロ投資家向け市場」を作って、発行企業がそちらに移ることで問題が解決したのでした。

ルクスのそれは 「Euro MTF」 という市場です。(ロンドンのは思い出せない)

導入の際は、日本の投資家は Euro MTFへの上場が「上場」の定義に当てはまるのかどうかという検討をしていました。(内規との関係で)

 

株式についてはロンドンにはそれ以前から AIM という市場がありましたが、こちらもEU Directiveの適用対象外となるように変更されました。(From 12 October 2004, AIM ceased to be classed as a ‘regulated market’ under EU Law and became an ‘exchange regulated market’.)

 

 

3.日本へのIFRS導入に関して気になったこと

債券のみ上場というケースは無さそうなので少し安心しましたが

 

上場ファンドIFRS適用になるのか

・他に上場商品として対象になるものはないか

 

とか

 

・プロ向け市場として作ろうとしている東京AIM(リンクはこちら)について、IFRSが適用される上場にはあたらないという整理がきちんとついているのだろうか

 

とか気になります。