語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2007/07/24

[]004号 「外国語学習に成功する人、しない人」 19:58 004号 「外国語学習に成功する人、しない人」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 を含むブックマーク はてなブックマーク - 004号 「外国語学習に成功する人、しない人」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 004号 「外国語学習に成功する人、しない人」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 のブックマークコメント

 

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英語・仏語・伊語 トリプル三冠王による

語学の虎の巻 [書評] 英語外国語学習法  - 004号 -

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■はじめに

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みなさん、こんにちは。寅彦と言います。

英語・仏語・伊語ができます。

証券会社で経理をやっています。(これが出る頃にはヤマを越えていると

思います)

第4号をお届けします。

このメルマガ編集方針につきましては、創刊準備号をご覧ください。

こちらです。

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/melma/20070620

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■今週の本 「外国語学習に成功する人、しない人」白井恭弘

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お薦め度: ★★☆☆☆

具体的な方法と言うよりは第二言語習得論の入門書です。

理論は不要という方は、「付録 知っておきたい外国語学習のコツ」

6ページ分を立ち読みで十分。

読んで頂きたい方: 納得しないと始められない方にお薦め

外国語学習のヒントを科学的に説明しているのは興味深いです。

(岩波科学ライブラリーの一冊です)


外国語学習に成功する人、しない人」 第二言語習得論への招待 

岩波科学ライブラリー 100 2004.10  価格 1,155円

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エッセンス

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子供母語習得(第一言語習得)と大人の外国語習得(第二言語習得)の

大きな違いは、母語習得はほとんど例外なく成功に終わるのに、外国語

習得は、母語話者のレベルまで到達できるかという観点からは、ほとんど

例外なく失敗に終わる、ということです。(5ページ)

日本人英語下手の理由は

 1) 動機付けの低さ (実際問題、英語が使えなくても困らない)

 2) 母語からの距離 (日本語英語の違いの大きさ)

臨界期仮説  若い時でなければ身につかない?

インプット仮説  インプット重要。ただし、「アウトプット

必要性」が必要


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■内容

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私自身もこの本はずっと気になっていたのですが、本の厚さの割に

値段が高いのではないかと、買うのを長い期間ためらっていました。

買って良かったです。

外国語学習のコツ」は付録に収録されていて、この本の主題では

ありません。

しかし、メルマガ読者の皆さんは、まさしく外国語学習のコツを求めて

いらっしゃるでしょうから、そのコツの中から一つだけご紹介します。

(引用開始)

インプットを理解するには背景知識が重要になる。よって、自分で

学習教材を選ぶときには、自分の興味分野でよく知っている内容を、

読んだり聞いたりするとよい。

(ここまで) 109ページ

例えば英語学習において、Time誌を読むのが良いとか、英字新聞

読むのが良いと言われることがあります。

日本語でも、自分が詳しくない分野の書物は全く意味が分からない

ことがあります。

これと同様に、外国語の書物を読んだ時に分からなかった場合、

背景知識の無さが原因で分からないのか、それ以外の理由で分から

ないのかが分からないことになります。

よって、自分のよく知っている分野のものを題材に選ぶことで、背景

知識という不確定要因を取り除き、純粋語学の問題としてテキスト

取り込むことができるということです。



さて、付録の話をこのくらいにすると、SLA(第二言語習得)の入門書は

他にもありますので、別にこの本でなくても良いわけです。

しかしながら、次の二点を見つけたことで、とても嬉しく感じ、買った

価値があったと思ったのです。

(これを読んだみなさんは、もうこの本を買わなくても良いかも

知れません)

1.臨界期仮説

外国語の習得は子供の時でなければ成功しない」というのが臨界

仮説で、それはかなり強く支持されているのですが、そうではないのでは

という研究結果が紹介されています。

臨界期仮説の元となった研究二件が、いずれもアメリカに渡った

アジア人研究だったのですが、ヨーロッパ系の人の場合は年齢による

影響が見られないという発表があったそうです。

アジア系の人の場合は、「見た目がアメリカ人じゃないから結局社会

とけ込めないのだ」と途中で諦めてしまうのではないかということです。

そうであれば、日本外国語を学んでいる我々にとっては、臨界期の

問題は無くなることになります。(あぁ、言い訳が一つ無くなってしまった)

2.インプット仮説 -> アウトプットの必要性

アウトプットはなくてもインプットがあれば言語習得が起きるという

クラッシェンの説を紹介し、他方、テレビを見ているだけでは話せる

ようにならないなどの反対意見も紹介しています。

実際には口に出して話さなくても、頭の中でどう話そうかと考えていれば

話せるようになると言う仮説を提示しています。

これによれば「外国語学校に行ったら20人のクラスで、なかなか順番が

回ってこない。だから会話が上達しない」という不満は、必ずしも正しく

ないということになります。

当てられた時/順番が回ってきた時に初めて何を言おうか考え始めるが、

それ以外の時間はボーッとしている人は確かに上達しないでしょう。

しかし、自分の順番が回ってくるまでの間、何を言おうか、どのように

言おうかと考えを巡らせ、或いは他の人のスピーチを聞いて、自分なら

どう言うかを考える人は、大人数クラスであっても話す力は伸びると

言うことです。

(ああ、また一つ言い訳が無くなってしまった)

もちろん頭の中で考えている限りは発音や文法の誤りを指摘してもらう

わけにはいかないのですけれど。

学習者の外国語能力がまだ一定のレベルに達しないうちに無理に

話させると……なんだか変な外国語をしゃべるという状況になります」

(30p)というクラッシェンのコメントにも気を留めておきましょう。

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感想

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日本に限らず、世界中でたくさんの人々が外国語を学んでいるわけ

ですから、その学びを対象とした学問であるSLA研究が進んでいる

わけです。

ところが我々一般の外国語学習者はSLA研究恩恵を十分に受けて

おらず、その結果、ああでもない、こうでもないと悩み、英会話学校

宣伝文句に踊らされたり、いろんな参考書に手を出したりしてしまう

わけです。

私自身、これまでの外国語との関わりの中から、いくつかの「公式」を

発見したと思ったのですが、実は言語学/SLAでは常識だったということが

ありました。

最近SLAを生かした外国語学習法というような本も出始めている

ようですが、研究がさらに進んで、その成果が還元されることを望みます。

第一号で紹介した、千野栄一外国語上達法」においても、良い教師と

なるために言語学心理学教育学の素養が必要としていました。

我々は教師になるわけではありませんが、これらの学問の成果が降りて

こないのであれば、(独学の人は特に)自分からこれら学問領域に首を

突っ込む必要があるのかも知れません。

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■おまけ

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日本英語教育について著者は

1)インプットの量が圧倒的に不足している。

2)自動化のためのスピーキング練習が圧倒的に不足している。また、

スピーキング練習がないため、学習者が頭の中でリハーサルをする必要性

もない。

としています。

私は、アウトプット練習については必ずしも音声で行う必要ではないと

思っています。

私自身、受験勉強における大量の和文英訳練習が役に立ったと思って

います。

また、大学に入ってからは、アルバイトの帰りに駅から家まで外国語

テーマを決めて独り言を言う練習をしていたことも役立ったと思って

います。



話は変わりますが、語学学習法について語る会「生寅の会」をこれまで

何回か開催してきました。

決算作業も一段落したので、再開しようと思っています。

詳細はブログ語学の方程式」でご連絡します。

興味のある方はご連絡ください。


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発行者略歴

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澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)

1962年生まれ。福井県出身証券会社の経理マン

2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠

(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。

(英検1級は優秀賞表彰)

中学の頃から冷え性に悩む。

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メルマガ名: 語学の虎の巻[書評]英語外国語学習

発行者 : 澁澤寅彦 ( shibu.tora@gmail.com)

発 行  : まぐまぐID= 0000238273

配信停止 : http://blog.mag2.com/m/log/0000238273/

─著者ブログ 他─────────────────────────

語学の方程式』(語学関連の日々の活動と発見

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/shibutora/

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