語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2007/11/27

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英語・仏語・伊語 トリプル三冠王による

語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法 - 020号 -

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このメルマガの編集方針につきましては、創刊準備号をご覧ください。

こちらです。

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/melma/20070620

 

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■今週の本 「最強の英語上達法」 岡本浩一

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買う??: ★★★★★

お薦めです。

買ってくださいとは滅多に書かないのですが、これは「買い」です。

 

実行可能度: ★★★☆☆

私もちょっとやってみようという気になっています。

 

読んで頂きたい方:

「仕事がいちばん激務の30代前半から50代の人たちにとって、日々の

責任をこなしながらも実行可能であることを考慮しながら、書かせて

いただいたつもりである」(「おわりに」より)

中上級者(を目指す方)向け

 

「最強の英語上達法」 岡本浩一

PHP新書 2002.10  

アマゾンはこちらから

http://www.amazon.co.jp/dp/4569624804/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

 


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■エッセンス

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・人間にとって、言葉とは重いものである。

・我々が規範とすべきは、いわゆる「国際語としての英語」であって、

アメリカやイギリスの英語ではないということである。

・1日当たり40語を覚える

・英語上級者はどのように感じているか

・1日1パラグラフ音読/暗唱

 

 

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■内容

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著者は社会心理学者です。

著者自身、日本にいながらにして英語を身に付け、高校一年の夏には国際

会議の通訳をするレベルに達していたということです。

その経験から、英語についての多くの迷信を切り捨てつつ、心理学の立場から

効率的、効果的な英語学習法を説いています。

 

Lesson 1は、言葉の重みについて書いています。

 

外国語は(我々にとっては)道具に過ぎないと言いつつも、(母語としての

あるいはその地域の共通言語としての)その言葉に自分の全存在をかけて

コミュニケーションをしている人たちがいると言うことを知って、その重さを

実感する必要有りという態度には、身が引き締まる思いがしました。

 

Lesson 2 では、英語についてのいろいろな迷信を切り捨てて行きます。

(英語学習法の本には良くあるパターンですが)

「日本人は英語が不得手」という「迷信」を背景に言語の成り立ちの

違いなど「日本人は英語ができなくても仕方がない」という為の理由を

探し出し、自責の念を軽減しようとする認知傾向を「セルフ・ハンディ

キャッピング」としています。

 

Lesson 3 「英語上級者の特徴」がこの本の「特徴」だと思います。

語学学習法の本の多くは、学習法の紹介を中心にしていますが、ここでは

上級者が英語を使っているときの感覚、思考の流れを描写、分析しようと

しています。

その結果を踏まえて、その段階に到達する為の学習法を後半で展開して

いきます。

「上級者は語彙が多い」などという当たり前のものから、「英語の語彙と

日本語の語彙の範囲がずれている」とか「スペルを表意文字的に見る」「小声で

話せる」「カクテルパーティー効果がある」など、思いもつかなかった指摘が

出てきます。

 

実際のトレーニングは

 

Lesson 6~10 中核トレーニング

Lesson 11 発展トレーニング

Lesson 12 広域的トレーニング

 

に分かれて記載されています。

 

この中では、Lesson 6の英単語暗記の基本原則とLesson 7のパラグラフ

トレーニングが興味深いです。

 

Lesson 6では、ターゲット語彙を4000語に置き、1日40語、丸暗記する

ことを勧めています。

 

「もしも、毎日の生活をこなしながら1日40語が覚えられないのだと

すれば、あなたのいまの生活には、英語を上達させるための余裕がない。

残念なことだが、英語学習そのものを諦めるほうがいいかも知れない」

(110ページ)

 

記憶の忘却パターンに合わせた復習法を提示していますが、これ自体は

目新しいものではありません。

「朝2時起きで、なんでもできる」の枝廣淳子さんも、エンジニアのご主人に

プログラムを作ってもらって語彙を増やしました。

 

興味深かったのは以下の部分です。

 

「英単語を丸暗記するのは正しくない、単語は文に出てきたときにその文脈と

ともに学習しましょう」と奨めている。けれども、私はそのようなやり方は

間違っていると考えている。(中略)

文の中で見て、用法やニュアンスを理解するという活動は、覚えるという

活動とは全く別の頭の使い方を必要とする。そのふたつを同時にすることは、

心理学的には競合反応となり、どちらも中途半端になる。覚えるときは覚え、

知識の正確さや豊潤化をはかるときは、いったん覚えたものについてする

というように区別することが適切である。(104ページ)

 

そう言って著者は日英対照の単語集での丸暗記を薦めるのです。

 

日本語をインデックスとして英単語を覚える作業は、英単語記憶の最初の

一歩である。その後、実際にその単語をいろいろな文章で見たり、会話で

耳にしたり、自分が実際に使い、その自分の言葉に対する相手の反応を知る

という、長いプロセスを経てその単語が自分のものになっていく。ニュアンスや

他の語彙との相対的関係はそのプロセスで身についていき、最初の記憶の

きっかけが日本語であったことのデメリットはこのプロセスで是正されて

いく。(108ページ)

 

これまで英和、仏和辞典などを多用し、英英、仏仏を使っていないことに

後ろめたさを感じていた私は救われた感じがしました。

 

この他にも「スペルは睨んで覚えよ」「『すべての単語は擬態語である』と

思いこむこと」などのヒントが提示されています。

 

Lesson 7では、毎日1パラグラフを感情移入して音読、さらには暗唱する

ことを奨めています。

 

英語上達のためには、読みやすい文と読みにくい文の弁別ができるように

なることが大切である。その弁別を習得するいちばんよい方法が音読である。

よい文、美しい文は音読がしやすいからである。

(中略)

音読を繰り返していると、構文を取りまちがえたときに、「何か変だ!」という

反応を身体がしてくれるようになる。また、自分が文章を書いているときも、

センスのよい文が書けるようになるのである。(136ページ)

 

Lesson 8は「発音の上達法」です。

興味深かったのは、以下のくだりです

 

発音については、ふたつの一見矛盾する留意点を心に留めることが必要で

ある。ひとつは、正しい発音を習得しようと心がけ続けることである。もう

一つは、いま現在、発音が完璧でなくとも、それに気後れせずに英語を

どんどん用いることである。(148ページ)

 

私は誤った発音で練習するのは変なクセがつくと考えて、まずは集中して

発音訓練をやるべきではないかと考えていたのですが、著者によれば、

気にせずやるべしとのことです。

 

これ以降もいろいろな提案がされています。

 

広域的トレーニングにおいては、日本語を介さずに知識を習得することを

奨めています。

 

この経験によって、まず、自分の知識維持のシステムが母国語に拘束されて

いないことを実感できる。このことの意味はとても大きい。つぎに、この

経験によって、知識を支えているコードのようなものには、言語の奥の構造が

あり、日本語も英語もその「奥の構造」に対するインタープリタでしかない

ことを実感できる。このことは、言語の相対性についての生の体験となる。

(235ページ)

 

さらには新約聖書、マザーグースの通読なども提案されています。

 

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■感想

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千野栄一は、外国語上達法には、「ことばについての理論である言語学と、

学習の中で重要な意味を持つ記憶を扱う心理学と、教授法を論ずる教育学の

三つの基礎が必要である」としています(「外国語上達法」岩波新書114ページ)

 

記憶の仕組み、学習し続けるモチベーションなど、確かに心理学の果たして

いる役割は大きいと思いますし、その点で心理学者による外国語学習法の本は

価値があると思います。

 

この本は昨年知人から借りて読んだのですが、かなりの衝撃を受けたのを

覚えています。

今回読み直して、前回以上に響くものがありました。(前回は付箋が8枚。

今回は51枚!! 安い付箋を大量購入したからかも知れませんが)

 

今年度下期はイタリア語に力を入れているのですが、語彙強化とパラグラフ

音読/暗唱に取り組んでみようと思います。

 

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■おまけ

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今年6月に始めたこのメルマガも、おかげさまで20号まで来ました。

発行部数も緩やかですが伸びてきています。

引き続きよろしくお願いします。

 

相変わらず読むのも書くのもスピードが上がらず、毎週10時間くらい

メルマガにかけています。

スピードアップが課題です。

 

三連休は田舎に帰ったのですが、実家のトイレがようやく水洗になって

いました。

そもそも下水が来たのが去年くらいだったのですが、父が「畑の肥やしが

なくなる」とずっと反対して今年にずれ込んでいました。

 

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発行者略歴

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澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)

1962年生まれ。福井県出身。証券会社の経理マン

 

2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠

(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。

 

 

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メルマガ名: 語学の虎の巻[書評]英語・外国語学習法

発行者 : 澁澤寅彦 ( shibu.tora@gmail.com)

発 行  : まぐまぐID= 0000238273

配信停止 : http://blog.mag2.com/m/log/0000238273/

 

─著者ブログ 他─────────────────────────

『語学の方程式』(語学関連の日々の活動と発見)

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/shibutora/

 

『語学の虎の巻』(当メルマガ バックナンバー他)

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/melma/

 

──おまけブログ───

『宝庫』(語学関連以外の日々の発見)

http://d.hatena.ne.jp/shibutora/

 

mixi やってます

http://mixi.jp/show_friend.pl?id=632399

 

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・お友達への転送はご遠慮なく

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melmamelma2007/12/22 00:14読者のlumakoさんから、以下のメールをいただきました。
 
『こんにちは
語学の虎の巻・語学の方程式のこっそり愛読者lumakoです。
ちょっと古い話題の感想なので恐縮ですが・・・
 
メルマガ20号の「最強の英語上達法」をお勧め通りすぐに読みました。そしてチョイ興奮、ドキドキしました。
印象に残ったのは、「単語を覚える程度の労を惜しもうとするのは、不真面目な態度だと考えている。単語くらい、ある程度十分に覚えようという姿勢が欲しいものである。」(31ページ)という部分です。
これは言い換えると、「単語を覚えるという地道な努力を真摯に続ければ、最低限語彙力だけは、わたしも語学の達人に近づける!!」ということなんだと思って、俄然やる気がでてきました。
 
また、語学を身につける動機についても、改めて考えることができました。イタリア語を始めたきっかけがなんだったのかは、はるか彼方の記憶なのではっきりしませんが、今は、著者の言葉を借りると「血の通った言葉で、真摯なコミュニケーションがしたい」と強く思うのです。寅さん同様身が引き締まる思いです。
 
実際のトレーニングは、1日40語の単語暗記とパラグラフの音読・暗唱を日課にすることに決めました。それに加え、壊滅的状態のリスニングをどうにかすべく、子供向け番組を見ようと思ってます。
今まで、語学上達には小説などある程度の長さのものを語彙・文法を暗記・理解しながら精読することがよいと思っていたので、文法的理解が完璧にならなくても、毎日新しい短いパラグラフにどんどん取り組んでいくというトレーニング方法は目新しかったです。
 
英語に関しては、教材が山ほどあると思いますが、イタリア語になると単語集にしても数が限られてますよね。
寅さんお勧めの語彙集とパラグラフトレーニングに使える教材があれば、ご親切ついでにぜひ教えてくださいませ。
 
良書のご紹介ありがとうございました。
久々に学習のエネルギーが湧いたことが嬉しくて、つい長文になってしまいました。
新年からスタートします。dieta da lunedi' にならぬようここに宣言しますね!!
 
ではでは』
 
ありがとうございました。
 
感想をいただけると本当に嬉しいです。
今後ともよろしくお願いします。
 

Puzz L. RiddlePuzz L. Riddle2008/04/11 19:39岡本さんは「上達の法則」を読んで気に入ったのが先で、この人が書く英語の
勉強本はどんなもんかと興味を持って手にしました。
はっきりいえばかなり高レベルを狙う人向きで、すこし腰が引けました。
ただ、今後の自分の学習にも活かせそうな部分がかなりありました。
自分で今後取り入れようと思ったのは、
・パラグラフトレーニング
ですね。すべては無理ですが、まずは毎日読むところから手をつけていこうと
思います。あとは読んでいて、英文法の知識のなさに唖然としました。
思えば大学入試以来約30年まるっきりやってないわけで、まじめな話
受験生向けの文法書を買おうかと思います。中学のときの担任の
中原道喜先生がちょうど文法書を書いているのでこれを買おうかと
思っています。あとはマザーグースを音読してリズムに親しむというのも
よさげです。

またきます。

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