語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2007/12/25

[]024号 「速読の英語」 08:18 024号 「速読の英語」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 を含むブックマーク はてなブックマーク - 024号 「速読の英語」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 024号 「速読の英語」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 のブックマークコメント

 

  

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英語・仏語・伊語 トリプル三冠王による

語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法 - 024号 -

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このメルマガの編集方針につきましては、創刊準備号をご覧ください。

こちらです。

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/melma/20070620

 

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■今週の本 「速読の英語」 松本道弘

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買う??: ★★★☆☆

私にはとても良かったです。

 

実行可能度: ★★★☆☆

興味のある分野を見つけて多読、乱読。

 

読んで頂きたい方:

時間のないビジネスマン 英語を使った情報収集、英米人のロジックを

理解しようとする人

 

「速読の英語」 松本道弘

プレジデント社 1997.12  

アマゾンはこちらから

http://www.amazon.co.jp/dp/4833416468/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22


  

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■エッセンス

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インプット無しにアウトプットはできない

 

速読で英語力がこんなに変わる (50ページ)

1.英語の語感が身につく

2.英語の心(発想)が身につく

3.英語の、そして欧米社会の論理や発想が身につく

4.日本に居ながら欧米社会を疑似体験することができる

5.英語を通じて得られる a frame of reference (準拠体系)が拡大され、

スピーキングやライティングが楽になる

6.同じ理由でヒアリングが伸びる

7.ますます英語の理解度が増すので、読書スピードも速くなる

 

 

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■内容

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結局のところ外国語学習というのは、自然な外国語に出来るだけたくさん

触れると言うことがカギだと思います。

 

インプットがなければアウトプットが存在し得ないということであれば、

インプットをどんどん増やす必要があり、それには多読、多聴です。

 

多聴よりも多読の方が、自分の好きな分野の素材を選ぶことが出来、かつ、

自分の好きなスピードで読むことが出来ます。(最近は速聴も流行っている

ようですが)

 

ということで、速読により多読の効果をさらに上げようとするのが本書です。

 

ただし、そのターゲットとは

「本書で扱うのは、漠然と読みたい(want to read)からというのではなく、

理由があって、ぜひ読みたい、読まなければならない(have to read)から、

という動機付けに支えられた人のための読書術である」(39ページ)です。

 

単語の増強については、まず

「将来の多読・乱読の準備のために、徹底的に単語を覚えておくことだ。

少なくとも、中学、高校の英語の教科書に出てくるような単語は、たとえ

使い方がわかなくとも、知っている単語として覚えておくべきであろう」

(49ページ)

としています。

 

学習初期にある程度の単語を詰め込む必要があるというのは、これまでに

ご紹介した他の本でも書かれています。

 

英語のケースですが、例えば、千野栄一「外国語上達法」では、「まず何は

ともあれ、やみくもに千の単語を覚えることが必要である」(52ページ)、

岡本浩一「最強の英語上達法」では、「4000語とりあえず覚えてしまう」(105

ページ)とあります。

 

基本単語をまずは丸暗記し、その後の多読で語感を微調整していくという

アプローチは、これらの本においては共通です。

 

また、英語の四技能が有機的につながっているという認識が日本人に欠如

しているという指摘があります。(52ページ)

著者は多読によりヒアリングが伸び、ヒアリングによりリーディングが伸び、

インプットが増えるとアウトプットしたくなりという循環ができるとして

います。

 

著者は、内容理解は最低70%で良いとし、また、時間のないビジネスマンは

特に、集中できる環境で、投下した時間に対する見返りを求めて真剣に読む

べしとしています。

 

第3章は、「英語速読・実践編」として、具体的な速読のテクニック、練習法

について述べています。

 

第5章は、批判的読書法について書かれています。

著者はディベートで有名ですが、ディベートに使えるような、アウトプットの

ためのインプット法について書いています。

 

それ以外で気になったところ

172ページ

・単語を覚えるより、センテンスを覚えること。センテンスはパラグラフと

ともに覚えるようにすれば、後にプラスになる

 

・頻度の高い単語だけは覚えておきたいと望む人は、語彙を増やし、語感を

鍛える方法として「広告英語」を学ぶこと

 

・ゴツゴツした社説英語を忘れるために、インタビューの英語などを読む

こと

 

175ページ

・英語だけを求めても、英語はある時期から伸びなくなる。問題意識と

ともに英語がふくらまなければ、伸び悩みの壁にぶつかる。

 

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感想

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「新版に寄せて」に、「本書が初めて世に出てから、早くも17年になる」と

あります。

この改訂新版が1997年の発行ですから、1980年ということになります。

 

1980年代の前半に大学生だった私は、著者の本を何冊も読みました。

 

改訂新版が出てからも既に10年経っているのですが、全く古さを感じさせ

ません。

むしろ、時代が本書に追いついた感じがします。(或いは私の認識が追い

ついたと言うことかも知れません)

 

近年は、外国語学習法としての多読が広く認知されるようになった気が

します。

 

しかしながら、本書で推奨される、「多読するための速読」は、「英語の

感覚を身につけるために、簡単な本を辞書を引かずに読みましょう」という

タイプの多読ではありません。

 

あくまでも目的は自分の必要とする情報を得ることであり、欧米人の論理を

知るためであり、そのような目的で多読をしている間に、外国語能力は

ついてくるというアプローチです。

 

本書では、多読の先にあるものに強いフォーカスが当てられていることから、

読んでいるうちに、語学習得方法としての多読などどうでも良い気がして

きます。

 

自分が英語で読みたいものがそこにたくさんあるから、英語で大量に読む。

そこで得られる情報こそが重要であり、英語ができる様になるために読むと

言うのでは本末転倒と言うことです。

 

さらに、書かれている内容について、批判的に読む訓練も行うということ。

 

これまで私は「多読によるトレーニング」と称して、日本語であったら

絶対に読まないであろうハリーポッターなどを読んで満足していたのですが、

とても恥ずかしくなりました。

 

著者も、たまには柔らかい記事も読むべしとしており、私も金融関連の

記事ばかり読んでいた反省から、ペーパーバックの多読に振り子を大きく

振ったのですが、行き過ぎだったようです。

 

ペーパーバックの多読でも、本書で勧めるTime の多読でも、語彙が

ネイティブ英語に限りなく引き寄せられる点が気になります。

 

そのような英語を目指している人にとっては、それで構わないのですが、

ノンネイティブをも相手とする、国際コミュニケーション言語としての

英語においては、必ずしも目的に合った題材ではない可能性があります。

 

批判的読書の素材としては良いと思いますが、語彙、表現の部分については

注意が必要だと思います。

 

著者が、「Give と Get で英語は通じる」という本も出していますが、

このような口語的使い回しが逆に通じない場面も多くあるでしょう。

 

「GiveとGetで英語は通じる」 アマゾンはこちら

http://www.amazon.co.jp/dp/4062565900/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

 

と言いつつも、本書を読むと、Timeが読みたくなります。

でも、とりあえずは店頭で一冊買って、やれそうかどうか、様子を見て

みようと思います。

タイム誌のアマゾンでの定期購読はこちら

http://www.amazon.co.jp/dp/4990298306/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

 

 

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■おまけ

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今年の7月に始めたこのメルマガですが、おかげさまで半年継続する

ことが出来、発行部数も500部を越えました。

 

当初想定したように、私自身、あらためて読んだ本、新しく読んだ本から

多くの発見がありました。

読者の皆様にもお役に立てたとしたら、とても嬉しいです。

 

来年もよろしくお願いいたします。

 

 

次週は年末年始につき、一週お休みをいただきます。

 

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発行者略歴

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澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)

1962年生まれ。福井県出身。証券会社の経理マン

 

2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠

(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。

同時期に、TOEICテストで990点をとり、「3カ国語で十冠」と

言っていたが、その後新制度のTOEICを受験したところ、985点となり、

現在は九冠。

 

教訓 良い点を取ったら、受け直さないこと。

 

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メルマガ名: 語学の虎の巻[書評]英語・外国語学習法

発行者 : 澁澤寅彦 ( shibu.tora@gmail.com)

発 行  : まぐまぐID= 0000238273

配信停止 : http://blog.mag2.com/m/log/0000238273/

 

─著者ブログ 他─────────────────────────

『語学の方程式』(語学関連の日々の活動と発見)

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/shibutora/

 

『語学の虎の巻』(当メルマガ バックナンバー他)

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/melma/

 

──おまけブログ───

『宝庫』(語学関連以外の日々の発見)

http://d.hatena.ne.jp/shibutora/

 

mixi やってます

http://mixi.jp/show_friend.pl?id=632399

 

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melmamelma2007/12/31 10:24114ページに、ホメイニにインタビューするファラチ女子の話がありますが、これはイタリア人 Oriana Fallaci の話と思われます。
今年の夏に、彼女の La rabbia e l'orgoglio を読みました。
 

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