語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2008/02/26

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語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法 - 031号 -

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こちらです。

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/melma/20070620

 

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■今週の本 「英語力を上げる実践勉強法」

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買う??: ★★★☆☆

とてもバランス良く書かれている本です。基本書として一冊あっても良い

でしょう。

 

実行可能度: ★★★☆☆

「英語は知識ではなく技術であり、楽しては身につかない」という当たり前の

アプローチです。

じっくりと時間をかける決意がまずは必要です。

 

「英語力を上げる実践勉強法」 石井辰哉

ペレ出版 2000.08  

アマゾンはこちらから

http://www.amazon.co.jp/dp/4939076431/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22


  

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■エッセンス

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TOEIC関連の著書で有名な著者が、34のメソッドを提示し、「工夫と努力で

日本にいても英語は確実に上達する」というコツを伝授する本です。

 

TOEIC対策ではなく、基本四技能を伸ばそうとする本です。

 

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■内容

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1.心構え編

英語は「数学、化学」などの知識科目ではなく、「体育、技術家庭」のような

技術の科目だと著者は述べます。そこでは才能ではなく努力が重要であり、

次のような英語の伸びの方程式を提示します。(19ページ)

 

英語力 = かけた時間(時間) x 平均集中度 (%) x 学習法の効率 (%) x

才能 (0.8~1.2) x 頻度

 

本書の後半では、「英語の習得には2000時間必要」との話が出てきます。

(160ページ)

 

毎週40分のレッスンでは57年かかることになりますし、もとよりその

ようなスピードでは忘れるスピードも速いので、2000時間以上必要になり

ます。

自分が実際どのくらい外国語学習に時間を注いでいるか、都度振り返る

必要があるでしょう。

 

2.スピーキング編

独り言、或いは日本人の同レベルの会話練習友達を持つことを勧めています。

独り言については、シュリーマン、ロンブ・カトー、ピーター・フランクルも

実践していましたし、私も良くやっています。

 

結局のところ、ネイティブと会話するにしても、相手の質問を理解する

(これは一人でリスニング練習すれば良い)、回答を考える(これも一人で

出来る)、回答を外国語で話す(これも一人で出来る)、ということになり、

ネイティブ講師が必要になるのは、その場で丁々発止とやり取りをする

という部分だけではないでしょうか。

 

文法や発音の誤りを訂正することを、ネイティブ講師は避けるようです。

本書165ページに様々な理由が書かれています。

 

他方、話す側としても、間違えそうな表現を避けて、簡単な語彙、表現を

用いようとする回避行動に出るので、訂正されるケースも減るのだと思います。

 

そうであれば、日本人との会話練習でも構わないと思いますし、逆に

ネイティブ講師とのレッスンが受けられるのであれば、回避行動に出ずに、

敢えて高度な言い回しに挑戦して訂正してもらおうとする心構えが必要

でしょう。

 

訂正してもらえないことで間違っているかも知れない部分は、多読、多聴に

よって調整をしていくことになります。

 

 

3.リスニング編

ここでは、内容を保持する能力の重要性を説いています。

聞いている瞬間、瞬間では理解している(と思っている)場合でも、一つの

塊が終わったところで、内容を覚えていないということがありがちです。

これを、センテンスリピート、センテンストランスレーションで確認する

ことを勧めています。どちらの場合も、英語で意味を理解して、それを

自分の言葉で英語/日本語で出力するものです。

 

 

4.リーディング編

日本語を介さずに、前から理解していく練習法について提示しています。

文をパーツに分けて、前から順番に区切りながら、その時に頭の中でどの

ようにステップバイステップで考えているかを説明した method 22 は

新鮮なアプローチでした。

 

 

5.ライティング編

ネイティブの添削が望ましいとしながらも、大量に読み、大量に書くことで

センスを磨く他、先週の小川芳男「話せるだけが英語じゃない」でご紹介

した、英->日->英のリプロダクションも勧めています。

 

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■感想

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外国語能力とその測定は非常に興味深い問題です。

 

著者がTOEIC教育の専門だと言うことで、今回はTOEICの話を少し書いて

みようと思います。

 

026号で紹介した山田雄一郎「英語力とは何か」では、次のように書いて

います。

「テストの作成は、その特定した能力をいかに測るかを工夫するものです。

そして、いかに測るかは、いかに教えるか、いかに学ぶかとは別なことです。

これを混同すると、たとえば、TOEICの試験問題集をやれば英語力が身に

つくというふうな錯覚が起こります。」(147ページ)

 

或いは、English Journalを出しているアルクでは、TOEICスコアアップ

指導者向けのクラスを開催していたことがありますが、そのクラスの説明と

して、

 

こんな方におススメです

◆ TOEIC対策の授業なのに「英語の授業」をしている人

 

というのがありました。

すなわち、TOEIC対策の授業は英語の授業ではないと言うことです。

TOEIC対策をしても、英語が伸びないと言うことです。

 

外国語のテストは、それぞれどの能力を測定しようかという目的がそれぞれ

あって作られていますので、「TOEICの点数が良くても全然話せない人が

いる」とか、「母集団が日本人と韓国人がほとんどで、その中で相対的な位置を

示したとしても絶対的なレベルが分からない」とかの批判はすべて的はずれ

だと言うことになります。

 

TOEICは相対評価ですので、自分の点数を上げたければ、自分より英語の

できない人を数万人連れてきてTOEICを受けてもらえば良いことに

なります。

(実際には過去数年間の実績をベースに計算するらしいので、数万人の人に

数年間協力してもらうことになります。それだけお金も時間もかけられる

のなら、勉強すれば良いでしょうというツッコミが来そうです)

 

「TOEICの点が良くても英語ができるとは限らないが、英語のできる人は

TOEICの点が良い」と言うことだと思います。

著者はTOEIC対策の学校も運営しているのですが、きっとそのような志の

高い学校なのだと思います。

 

 

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■おまけ

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6年前にTOEICの試験を受けたのですが、その際に著者の「TOEIC TEST

900点突破 必須英単語」を買いました。

難しい単語がたくさん並んでいたので、最初の10ページで放り投げて

しまったのですが、その時のテストは990点でした。

 

当時は「TOEIC対策の単語集もたくさん出ているから、差別化のために他とは

違う、難しい単語を入れているのではないか」と思っていたのですが、

ちょっと違うようです。

 

単語集を手に取ると、外国語 => 日本語 と、日本語 => 外国語の双方向が

出来ないとダメだと思いこんで、そのように暗記しようとしがちです。

日本語の漢字でもそうですが、読める漢字に比べて書ける漢字はかなり

少ないです。(「薔薇」とか読めても書けません)

 

もちろん、これが使用頻度の高い漢字や単語であったら、双方向で自分の

ものにする必要はあるのですけれど、それを超えた語彙であれば、両方向で

同じレベルを目指すというのは高すぎる目標でしょう。また、その場合は

単語集などではなく、実際の使用の中でニュアンスを覚えていく必要が

あるでしょう。

 

(TOEICはインプットの試験ですから、英語 -> 日本語の方向だけ分かれば

良いと言うこともありますけれど)

 

本書96ページの図で言うならば、修得度0から10までのスケールの中で、

「6.単語を見た場合は思い出せるときと思い出せないときがあるが、文章で

使われているのを見るといつも思い出せる」というレベルまで行けば、

インプットとしては十分だと思います。

 

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発行者略歴

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澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)

1962年生まれ。福井県出身。証券会社の経理マン

 

2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠

(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。

 

最近パワー不足です。

 

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メルマガ名: 語学の虎の巻[書評]英語・外国語学習法

発行者 : 澁澤寅彦 (shibu.tora@gmail.com)

発 行  : まぐまぐID= 0000238273

配信停止 : http://blog.mag2.com/m/log/0000238273/

 

─著者ブログ 他─────────────────────────

『語学の方程式』(語学関連の日々の活動と発見)

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/shibutora/

 

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