語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2008/03/25

[]035号 「英語上達完全マップ」 21:46 035号 「英語上達完全マップ」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 を含むブックマーク はてなブックマーク - 035号 「英語上達完全マップ」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 035号 「英語上達完全マップ」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 のブックマークコメント

 

  

ランキング参加中です。こちらもクリックで応援お願いします。

英語学習 ランキング

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

英語・仏語・伊語 トリプル三冠王による

語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法 - 035号 -

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

このメルマガの編集方針につきましては、創刊準備号をご覧ください。

こちらです。

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/melma/20070620

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■今週の本 「完全英語上達マップ」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

買う??: ★★★★☆

「六ツ野メソッド」と呼ばれているらしいです。TOEIC300-400の初級

レベルからTOEIC900レベルまで引っ張り上げるステップが詳細に

書かれています。

英語塾の先生用のマニュアルのようです。

と言いつつ、TOEIC対策をするわけではなく、英語力を付けることで

結果的にTOEICの点数がついてくるというアプローチです。

アウトプット力も合わせてつくと思われ、バランスの取れたアプローチです。

アマゾンのカスタマーレビューも好意的です。

 

実行可能度: ★★★☆☆

基本的に、数をこなさないとダメというアプローチですので、独学では

強い意志が必要です。関東のお住まいの方なら、著者の英語学校に通って

しまうという手もあるかも知れませんが。

 

「完全英語上達マップ」 森沢洋介

ペレ出版 2005.10  

アマゾンはこちらから

http://www.amazon.co.jp/dp/4860641027/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■エッセンス

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

章立ては以下の通りです。

第一章 英語習得の戦略

第二章 英語トレーニング法

第三章 トレーニングの進め方

第四章 トレーニングを継続するために

第五章 お薦め教材

 

英語が身につかない原因は「効果的なメソッドに従って十分なトレーニングを

積んでいない」(32ページ)であるとして、本書で効果的なメソッドを、その

繰り返しの回数とともに提示します。

 

第二章で説明されるトレーニング法は、以下の通りです。

1.音読パッケージ

2.短文暗唱=瞬間英作文

3.文法

4.精読

5.多読

6.語彙増強=ボキャビル

7.リスニングトレーニング

8.会話

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■内容

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

第二章 「英語トレーニング法」で、八つの分野が個別に説明されます。

 

1.音読パッケージ

以前ご紹介した國弘正雄「國弘流英語の話し方」にあった、只管朗読(しかん

ろうどく)をベースにしたものです。

(リピーティング・音読・リピーティング・シャドーイング)というセットで

テキストを30回声に出します。これを1サイクルとして複数回繰り返し

ます。

著者は一つのテキストにつき、100回を1サイクルとして5回繰り返した

そうですが、生徒さんはそこまでついて来れず、効果が出る最低限として、

1サイクルあたり30回としたそうです。

「英語を使いこなせないのは、この繰り返しが致命的に欠如しているから

です」(69ページ)

使うテキストは「自分の読みのレベルを100とすると、60~80くらいの

ものが標準的です」(86ページ)

 

 

2.短文暗唱=瞬間英作文

この章は私の気に入ったところです。

読んで分かる中学生レベルの英語が口から自然に出てくるように活性化

するためのトレーニングです。

 

インプット(読む・聞く)のトレーニングはアウトプット(書く・話す)の

トレーニングに比べて受け身で楽なので、独学だとどうしてもインプットの

訓練に時間を割いてしまいます。

(アウトプットの訓練は如何に間違いを修正できるかが課題として残る

という点もあります)

TOEICもインプットの力を試すテストですから、結果としてインプットは

たくさんやってTOEICの点数は高いけれどアウトプットが出来ない学習者が

多く出てしまいます。

 

「わかっていること」を「できること」にするためにはわかりきったことを

繰り返すことが欠かせません。(111ページ)

 

まずは中学の文型集の類から始めて、徐々にレベルアップしていきます。

もちろん自動化するために何回も繰り返します。

 

外国語のインプットの際に、「英語を英語のまま理解する」ということが

良く言われます。これはこれで正しいと思いますし、一部学校英語教育に

見られる返り読み訳読タイプの読み方は避けるべきです。

 

受け身であるインプットにおいては、そこにある外国語の表現をそのまま

取り込んで頭の中にモヤモヤとしたイメージを再構築すれば足ります。

 

翻って、能動的な作業であるアウトプットにおいては、頭の中のモヤモヤを

ターゲット言語で表すわけですが、まずはそのモヤモヤを思い浮かべなければ

なりません。

 

日本人が外国語が苦手だと言うときに、外国語能力以前に、語るべき内容を

(日本語であっても)持っていないというケースがあります。

 

以前ご紹介した小川芳男「話せるだけが英語じゃない」に出ていた、事前に

母語でブレーンストーミングして話す内容を決めてから外国語を話すのと

同じで、まずはモヤモヤを作るための刺激を日本語の短文で与えることは

良い方法だと思います。

 

上級になってくれば、目に見えたものをどんどん英語で言ってみたりとか、

実況中継したりとか、或いは「今日は地球の温暖化について話してみよう」

などとテーマを決めた独り言でモヤモヤを作りながら話すことができると

思います。

しかし、答合わせが難しいので、まずは答のある短文集で、頭の中の

プロセスの自動化を目指すのは有効だと思います。

 

 

3.文法

文法というと拒否反応があるかも知れませんが、「文法問題は『解く』のでは

なく『反応』すべきもの」(127ページ)であり、「文法的におかしい文を

見たり、聞いたりすれば、違和感を覚える体質」(133ページ)を作ることを

目指します。

 

 

4.精読

世間で言われている精読を「旧式の精読法」とした上で、「大まか読み->

解説を利用指定のじっくり読み -> トレース読み」によって省力化した

精読を提案します。

 

 

5.多読

多読では、語彙数を制限した Graded Readers を中心とした「プレ多読」から、

次の「語彙増強=ボキャビル」を経ての「多読」により、ペーパーバックから

Newsweek/Time 誌までを展望します。

当初は理解率6割程度で良しとしてスタートするものの、精読の効果と

相まって、著者の言うところの「精速読」のレベルに達します。

 

 

6.語彙増強=ボキャビル

ボキャビルは単語集によるものです。(ペーパーバック読書を極めたい人は

自作の単語集を作ることを薦めています)

ここでも繰り返しのトレーニング方法を提示しています。

 

単語集でのボキャビルは批判が多く、その理由の一つは「訳語は状況に

応じて違う。一対一対応はできない」というものです。

この批判に対しては、「訳語は状況に応じて違う。一対一対応はできない」

ということを心に留めておけば良いでしょう。

この点については著者は「同レベルの単語集を複数使う」(187ページ)

ことで複数の文脈でその単語と出会うことを可能にしています。

 

多読だけでボキャビルをするにしても、出会ったその場面においては訳語は

一つであり、単語集で学ぶのと同じです。(実際は日本語に訳さず読んでいる

ので、訳語を持ち出すのはおかしいのですが、説明の都合上お許しください)

 

単語を覚える作業と、それを多読により豊かにしていく作業は別の脳の

働きだという説もあるようですし、いずれにせよ本書でも多読を勧めている

わけですし、記にしなくても良いと思います。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■感想

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「英語上達法」の本を書く人は、ほぼ例外なく英語がかなりできる人です。

英語のできない人が「英語上達法」の本を書いても売れません。

ところが、英語のできる人は上達のそれぞれの過程で必ずしも勉強法を

意識しておらず、結果として上級者になった自分が最後にやっていた勉強法を

周りに勧めてしまうおそれがあります。

 

本来は、上達の過程のそれぞれのレベルで勉強法が異なってしかるべき

なのですが、上級者のトレーニングを初級者にも勧めてしまいます。

 

本書は著者の経験に裏打ちされたものであり、かつ著者の英語教室で実際に

検証されているアプローチであり、安心感があります。

 

初級者から上級者までをカバーしていることから、自分のレベル以外の

部分は面白くないかも知れません。トレーニングも細部まで書かれて

いますし、読み通す本ではないかも知れません。

 

前にご紹介した、國弘正雄「國弘流英語の話し方」や、石井辰哉「英語力を

上げる実践勉強法」と同じく、300ページレベルの総合学習書です。

お買い得です。(300ページものを一週間で読んでメルマガにするのは、少し

しんどいです。)

 

第五章のお薦め教材で、音読パッケージでは國弘正雄「英会話絶対音読」の

シリーズが紹介されていますが、著者も音読パッケージ用に教材を出して

いて、これもアマゾンで好評のようです。

http://www.amazon.co.jp/dp/4860641345/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■おまけ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

まぐまぐが、メルマガを主体としたSNSを開設しました。

名前はマグネット!β版

この「語学の虎の巻」は以下のサイトになります。

http://magnet.mag2.com/pc/page_c_home/485

使い道を模索中です。のぞいてみてください。

(書き込むにはユーザー登録が必要のようです)

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

発行者略歴

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)

1962年生まれ。福井県出身。証券会社の経理マン

 

2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠

(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。

 

株価に反して体重と体脂肪率が右肩上がりで推移中

 

─────────────────────────────────

メルマガ名: 語学の虎の巻[書評]英語・外国語学習法

発行者 : 澁澤寅彦 (shibu.tora@gmail.com)

発 行  : まぐまぐID= 0000238273

配信停止 : http://blog.mag2.com/m/log/0000238273/

 

─著者ブログ 他─────────────────────────

『語学の方程式』(語学関連の日々の活動と発見)

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/shibutora/

 

『語学の虎の巻』(当メルマガ バックナンバー他)

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/melma/

 

──おまけブログ───

『宝庫』(語学関連以外の日々の発見)

http://d.hatena.ne.jp/shibutora/

 

mixi やってます

http://mixi.jp/show_friend.pl?id=632399

 

─────────────────────────────────

 

─────────────────────────────────

・無断転載はご遠慮ください

・お友達への転送はご遠慮なく

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

トラックバック - http://shibutora.g.hatena.ne.jp/melma/20080325