語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2008/04/29

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英語・仏語・伊語 トリプル三冠王による

語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法  - 039号 -

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先週は一回お休みいただきました。ありがとうございました。

このメルマガの編集方針につきましては、創刊準備号をご覧ください。

こちらです。

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/melma/20070620

 

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■今週の本 「通訳の英語 日本語」

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買う??: ★★☆☆☆

学習法に関係するのは、第4章「通訳者への道」と第5章「同時通訳者が

すすめる英語上達法」。この二章だけ(56ページ)読むのもあり。

 

読んで頂きたい方:

通訳の世界を覗いてみたい方

 

 

「通訳の英語 日本語」 小松達也

文春新書 2003.05  

アマゾンはこちらから

http://www.amazon.co.jp/dp/4166603175/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

 

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■エッセンス

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章立ては以下の通りです。5章については、もう一段細かく書いています。

 

第1章「通訳の仕事」

第2章「通訳の歴史」

第3章「日本語と英語」

第4章「通訳者への道」

第5章「同時通訳者がすすめる英語上達法」

 1.継続こそ上達への道

 2.中、上級への道は読むことから

 3.リスニング - 知識を生かす

 4.話すときは意識的に

 5.その他の実践的ヒント

 

エッセンスとしては、多読により英語の接触量を増やし、意識的にアウト

プットの努力をすることで英語力が身につくというものです。

その際には英語の構文の知識が必要であるとしています。

 

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■内容

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第1章「通訳の仕事」

日本で活動しているプロの通訳者の80%以上が女性。ヨーロッパやアメリカ

では女性の割合は60~70%くらいとあります。(22ページ)

通訳、特に同時通訳は女性向きではないかと思っています。

女性は左脳と右脳をつなぐ脳梁という神経回路が男性よりも20%太い

らしいのですが、これによって、複数の作業を同時にこなすことができる

ようです。

女性に貧乏ゆすりをする人がいない(?)のは、イライラして待ちながらも、

足が貧乏ゆすりを始めたらそれに気づいて止めるからだと言われています。

(男性は待つことで頭がいっぱいになって、足が貧乏ゆすりをしていることに

気づかない)

 

「通訳では、一般的に母国語(L1という)に通訳する方が後から身につけた

言語(L2)に通訳するよりやさしい。(中略) したがって海外では、特に

スピードを要する同時通訳の場合、通訳者は自分の母国語に訳すというのが

原則だ。ところが私たち日本の通訳者は、日本語にも、外国語である英語にも

通訳する。英語を母国語とする通訳者が極端に少ないからだ」(24~25

ページ)

日本語から外国語に訳す方が難しいというのは我々一般学習者でも分かる

話ですが、それで分業体制になっているというのは興味深いです。

 

第4章「通訳者への道」

「通訳として最も望ましい形は、話し手の言葉を訳すのではなく、その

意味(センス)を通訳者自身の言葉で表現すること」(163ページ)ということが、

繰り返し強調されます。

我々が訳す場合も、単語に引っ張られてしまうことが良くあります。

肝に銘じておかなければなりません。

 

第5章「同時通訳者がすすめる英語上達法」

ここが一番気になるところですが、12ページしかありませんので、エッセンス

だけです。

 

クラッシェンの「インプット仮説」を紹介し、「リーディングは外国語の

習得において初級者のレベルと上級者のレベルのギャップを埋めるベストの

方法だ」という言葉も合わせて紹介しています。

語彙は多読の文脈の中で身につけていき、また「英語で考える」という

ことも、多読により「英語的な論理で考える」ことに慣れるということで

あるとしています。

 

読み物としては、初中級者向けのgraded readers から始めて、ペーパー

バック、タイム誌に向けて読み進めることを説いています。

 

他方、インプットだけでアウトプットができると言っているわけでは

ありません。

185~186ページに、以下のようにあります。

 

「私たちが英語を話す場合は母国語を話すときとは違って、考えずに自由に

話すことはできないということである」

「簡単な日常会話の場合は、模倣とパターンの記憶によって話すことが

できる。しかし一歩進んで自分の意見を英語で表現するためには、考えて

英語の文章を作らなければならない」

具体的には次のような作業を意識的にすることが必要である

1.頭の中で言いたい事を整理する。

2.それぞれの言葉に英語の語句を当てはめてみる。

3.何を主語にし、何を目的語にするかなど文の構造を考えてセンテンスを

作る。

4.それを口の中で唱えてみて覚える

5.発言する

 

最初はぎこちないこのプロセスがどんどんスムーズになっていくというのが

上達するという過程だとしています。

 

これ以外には、独り言で練習する、練習中はおしゃべりになる、誤りを

恐れない、強勢に気をつける、大声で話すなどのアドバイスがありました。

 

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■感想

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英語がちょっとできる人なら、一度は「通訳になりたい」と思ったことが

あるのではないでしょうか。

 

通訳者養成学校のお試しコースなどに参加してみると、「外国語ができる」と

「通訳ができる」の間にある大きな壁に気づかされます。

 

そうは言っても、外国語のプロである通訳者がどのようなトレーニングを

経て養成されていくのかは興味のあるところであり、そのトレーニング法を

我々一般の学習者が取り入れることはできないのかと常々考えております。

 

私の場合日本語を入れれば4カ国語がある程度できるわけですが、ではその

4カ国語の間のすべての組み合わせで通訳をしようとすると、何組の通訳

技能を身につけなければならないのかというのが最初の私の興味でした。

 

日本語から英語への通訳能力は、英語から日本語への通訳能力とは異なるのか。

日英の言語ペアの通訳技能を学んだら仏伊のペアの通訳はできるように

なるのかどうか。

(ここで通訳技能とは、外国語はできるという前提で、その上に必要となる

技能のことを言っています)

 

定義の違いにより、日英仏伊間の通訳に必要となる技能は、最小なら1、

組み合わせなら6、最大なら順列で12となるわけです。

 

第3章「日本語と英語」で、「英語と日本語の間の通訳は、英語とフランス語の

ような同じ語族の言語間の通訳よりも難しく、特別の工夫が必要だと考え

がちだ。しかし世界の通訳研究者の多くは、通訳技術はどの言語の間でも

同じだという意見だ。これは通訳というのは言葉を訳すのではなく、言葉を

通して伝えられる意味を訳すのだから、語順の違いといった個別言語の特徴は

あまり関係ない、という考えに基づいている」(93-94ページ)と書かれて

います。

 

12組覚えなければと思っていたものが1つで済むのであればそれは

お得だから通訳学校に通おうかといつも新学期の前にはパンフレットを

握りしめて思うのでありました。

 

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■おまけ

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今年2月に行われた著者の講演会に参加し、その後の懇親会でしばし

お話をさせていただきました。

「英仏伊語できます」との私の言葉に「あなたの中には宝の山が眠っている」

とコメントをいただきました。

「その宝を眠らせたまま墓場まで持って行ってしまうのです」とお答え

しました。

 

(もし本当に宝なら)この宝を目覚めさせる方法をどなたか教えてください。

 

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発行者略歴

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澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)

1962年生まれ。福井県出身。証券会社の経理マン

 

2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠

(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。

 

 

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メルマガ名: 語学の虎の巻[書評]英語・外国語学習法

発行者 : 澁澤寅彦 ( shibu.tora@gmail.com)

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