語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2008/06/05

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英語・仏語・伊語 トリプル三冠王による

語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法  - 044号 -

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このメルマガの編集方針につきましては、創刊準備号をご覧ください。

こちらです。

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/melma/20070620

 

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■今週の本 「英語ベストセラー本の研究」

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買う??: ★★★★☆

時系列で歴史的背景を考慮しながらの書評は切り口が新鮮。

文法書のレビューまで入っているので、もはや私の役割は終わりました。

英語本マニアには、読書ガイドとして。

 

「英語ベストセラー本の研究」 晴山陽一

幻冬舎新書 2008. 5  

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■エッセンス

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戦後のミリオンセラーの級の英語本を時代の流れの中で分析し、なぜ

それらの本が多くの人に読まれたのかの謎を解いていくことで、日本人の

英語学習の弱点、究極の英語学習法が見えてくる。

 

取り上げた本は次の23冊/シリーズです。

 

1940年代 日米会話手帳/ジャック・アンド・ベティー

1950年代 和文英訳の修行/英文法解説/英文をいかに読むか

1960年代 アメリカ口語教本/英語に強くなる本/試験に出る英単語/

英語で考える本/基本英文700選

1970年代 英語の話しかた/國弘流 英語の話しかた/

なんで英語やるの?/英文解釈教室

1980年代 日本人の英語/「起きてから寝るまで」シリーズ

1990年代 DUO/英会話とっさのひとこと辞典/英語できますか?/

これを英語で言えますか?

2000年代 英会話・ぜったい・音読/

ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本/「超」英語法

 

 

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■まえがき

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英語本の書評をメインにした本は、「この英語本がすごい」(中川淳 宝島社)

についで二冊目でしょうか。

前者は一冊あたり1ページ~2ページで、105冊の本を紹介しています。

本書も当初は一冊当たり8ページくらいの「行儀のよい本を」作ることを

考えていたようです。

出来上がってみれば、えこひいきのある、著者の思い入れによってページ数に

メリハリを付けた本に仕上がっています。

 

本書の優れた点の一つは、それぞれの時代背景、その当時の英語教育に

ついての国の方針などの文脈の中で、それぞれの本を正当に評価しようと

していることです。

 

私も多くの英語本を読んできましたが、同じ内容が書かれている二冊の本が

あれば、最初に手に取った本の方が印象が強く、結果として高い評価を

与えてしまいます。

 

これを歴史の中に置くことで、「最初にそれを主張した人が偉い」「そんな

時代にこんな事を考えていた人は偉い」という、本来あるべき公平な評価が

できることになります。

 

もう一つの素晴らしい点は、著者が出版社で英語教材の編集を永らく

行ってきたことによるものですが、いわゆる「ハウツー本」以外に、

参考書や単語集までカバーされていることです。

 

私もメルマガをやっていて、一週間で一冊読んでさらに書評まで書く

慌ただしさですから、文法書の通読や単語集の通読は間に合いません。

 

本書のような本が出てしまうと、私のメルマガの役割はもはや残って

いないのではと考えてしまいます。

 

今回は書評本の書評をすることとなるので、本書への評価か、引用された

本への評価か紛らわしくなったり、あるいは引用の引用となる箇所も

あったりして読みにくいところもあると思います。

私の表現力のいたらなさによるものです。ご容赦ください。

 

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■内容

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・1940年代

1945年に戦後間もなく出された「日米会話手帳」は360万部のヒットと

なったわけですが、発音についてはカタカナ表記でした。

1946年からNHKラジオ英会話が始まり、その時もカタカナ表記なのですが、

例えば

 

Can’t you open it? ケーンチューオゥプネット

Wait a minute. ウェイラメネット

 

などのように、ちょっと前の中学英語のカタカナ表記とは異なり、発音を

できるだけ(米語発音に)近づけようと言う努力が見られます。

 

私自身は発音記号派なのですが、最近またカタカナを使っての発音表記の

実験が為されているようですから、昔に戻っているということでしょうか。

(ミシンも machine の発音表記から来たとどこかで読んだ気がします)

 

もう一つ興味深かったのは1947年の「指導要領(試案)」の英語教育の話です。

「英語で考える習慣を作ること」が英語教育の目標に一番目に書かれている

とか、「一学級の生徒数は30人未満が望ましく、授業は毎日1時間/週

6時間が至当」などと書かれていると知ると、その通りに実施されていたら

と思わずにいられません。

 

 

・1950年代

著者の文法書選びのコツが書かれています。

「英文法の参考書を選ぶときは、『この著者はこの項目をどう料理している

だろう?』という固定した『視点』を持って読み比べ」るのですが、著者の

場合は「SVO+不定詞」の構文の説明ぶりを基準にするとのことです。

 

著者は「英文法解説」(江川泰一郎 金子書房)を「この本には独特の味が

あり、とにかく面白く読めるのである」と勧めるのですが、548ページの

本ですからねえ。

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・1960年代

「アメリカ口語教本」のパターンプラクティスについて

「このパターンプラクティスは、当時中学校の授業にも熱狂的に採用され、

やがてブームが去ると、あっという間に顧みられなくなった」(56ページ)

 

機械的で非人間的だという批判があったとのことですが、機械的で

非人間的な練習は外国語に限らず、スポーツでも何でもいろいろあります。

「パターンプラクティスでは上達しない」のではなく、「パターン

プラクティスだけでは上達しない」というのが正しいところだと思います。

この本で実力を付けた人が著者の周りにもたくさんいらっしゃるそうです。

 

・1970年代

「英文解釈教室」の伊藤和夫氏のエピソードで

「英語で食っていこうと思ったら一万ページを目標に読め」と言ったらしい

というくだりがあります。(120ページ)

多読は重要だと思います。最近の多読ブームは良い傾向だと思います。

 

同じく伊藤和夫氏の言の引用

「英語自体から事柄が分かること、つまり訳せるから分かるのでなく

分かるから必要なら訳せることが英語の目的である」(123ページ)

 

最近は「英語を英語のまま理解する」ことを強調するあまりに、日本語に

訳すことを軽視する意見もあります。

しかしながら、松本道弘氏や渡部昇一氏が言うように、日本語と格闘する

ことが重要であることを私も感じています。

 

(125ページ)著者のコメントで、「なぜ、文法を軽視せずにコミュニ

ケーション・スキルを上げる方法が議論されないのか、不思議でならない」

とあります。

私も同感です。「両方やれば良いじゃないの」ということなのですけどね。

 

 

・1980年代

「起きてから寝るまで」シリーズが紹介されているのですが、これが

19世紀の外国語教育法「グワン式」から来ているとは知りませんでした。

(そもそもグワン式という名前を初めて知りました)

台湾における日本語教育でも素晴らしい効果をあげたとのこと。

試してみたいと思います。

 

・1990年代

特に私には響きませんでした。

井上一馬「英語できますか 究極の学習法」は3年前に読んだのですが

パッとしませんでした。(その後読んだ別の本もパッとしなかったので、

井上一馬氏の本は読まないようにしていました)

私自身が成長したかも知れませんので再度読んでみたいと思います。

 

・2000年代

特にありません。「究極の英語学習法」(PHP新書 岡本浩一)は取り上げ

られるべき本だと思っています。

 

第8章は「究極の英語学習法」と題して、著者のアプローチが提示されます。

1 学習の抵抗感をなくす

2 音読と暗唱を繰り返す

3 リスニングを他の三技能に先んじる

4 継続が不可欠

5 まず盤石の基礎を築くことが肝要

など、エッセンスが提示されるのですが、ページ数が限られているので

著者の別の著作を読んでみたいと思いました。

 

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■おまけ

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個別に取り上げられた23冊/シリーズ以外にも、多くの本が紹介されて

おり、英語本収集家には参考になります。(私も三冊購入しました)

 

取り上げられている本に関して、著者と受け止め方が異なった部分が一部

あって、出版社経由コメントしたところ、重版から内容を修正するとの

ご連絡をいただき、また著者のHPにおいても、その旨を記載頂きました。

他にも修正があるようですので、初版を買い求められた方は、こちらの

正誤表をご覧ください。

http://y-hareyama.sakura.ne.jp/

 

 

仕事が少し忙しくて、メルマガの発行が二日遅れました。

ごめんなさい。

 

床屋に行く暇もなく、髪の毛が爆発しております。(前回の床屋から二ヶ月

経過しました)

 

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■発行者略歴

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澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)

1962年生まれ。福井県出身。証券会社の経理マン

 

2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠

(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。

 

 

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メルマガ名: 語学の虎の巻[書評]英語・外国語学習法

発行者 : 澁澤寅彦 ( shibu.tora@gmail.com)

発 行  : まぐまぐID= 0000238273

配信停止 : http://blog.mag2.com/m/log/0000238273/

 

─著者ブログ 他─────────────────────────

『語学の方程式』(語学関連の日々の活動と発見)

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『語学の虎の巻』(当メルマガ バックナンバー他)

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──おまけブログ─────────────────────────

『宝庫』(語学関連以外の日々の発見)

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