語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2008/07/05

[]047号 「改訂新判 英語に強くなる本」 22:18 047号 「改訂新判 英語に強くなる本」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 を含むブックマーク はてなブックマーク - 047号 「改訂新判 英語に強くなる本」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 047号 「改訂新判 英語に強くなる本」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 のブックマークコメント

 

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英語・仏語・伊語 トリプル三冠王による

語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法  - 047号 -

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このメルマガの編集方針につきましては、創刊準備号をご覧ください。

こちらです。

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/melma/20070620

 

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■今週の本 「改訂新判 英語に強くなる本」

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買う??: ★★★☆☆

とてもお勧めなのですが、「入手が難しい、中身が古いかもしれない」で

★三つ。

 

読んでいただきたい方

「おとな」の方

 

「改訂新判 英語に強くなる本」 岩田一男

カッパブックス 1961.8 増補版 1965

  

アマゾンは(もしあれば)こちらから。図書館でお探しください

http://www.amazon.co.jp/dp/4334001610/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

 

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■内容

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1961年に既にこんな本が出ていたというのは衝撃でした。

先日ご紹介した晴山洋一「英語ベストセラー本の研究」(幻冬舎新書)に

紹介されていて興味を持った本で、アマゾンで中古で入手しました。

 

送料込みで、2,140円でしたが、価値は十分ありました。(書き込みが

多かったのですが)

 

手にしたのは昭和47年7月15日発行の298版でしたが、いったいどこまで

版を重ねたのでしょう。

 

再版をお願いしたいところですが、PC(Politically correct)の現代では

不都合な表現も多く、大幅な見直しが必要になるでしょうね。

 

全10章で構成される本書は以下の章立てです。

 

1 どうして、英語ができないのか/2 日本人はなぜ発音に弱いのか/

3 科学的な単語のおぼえ方/4 やさしい言葉がきらいな日本人/

5 生きている英語・死んだ英語/6 先生も教えてくれない英語のルール/

7 英語を話すコツ/8 英語を読む秘訣/9 英語の底を流れるもの/

10 外国へ行く法

 

 

第十章「外国へ行く法」は、1965年の増補版で追加されたと思われますが、

「昭和39年4月1日から観光旅行も自由化され」とか、「観光旅行の場合、

持ち出せる外貨は一年一回500ドルの制限があります」(273ページ)とか

あると、「古いなぁー」という感じがします。

 

「話し言葉に重点」を置き、中学二年程度の英語を最大限に生かして高度な

内容を表現しようとします。

(と言いつつ、「おとな」の会話もあちらこちらに出てくるので、中高生には

お勧めできないのですけれど)

 

この本の良いところは、面白い/飽きさせないところです。

 

著者の授業(当時は一橋大の英語・英文学の教授)もこんなだっただろうと

いうことが、生き生きと目に浮かんできます。

 

あちらこちらにちりばめられるおやじギャグを時々うっとうしく感じる

こともありますが、"Hello George"を、「やあ、譲二」と訳すような

(208ページ)小技を見落とさないようにと、さらに熱心に読みました。

 

興味深い雑学知識も盛りだくさんです。

 

39ページ 日本語のチョッキという言葉が英語の jacket の発音から

来ているというのは、個人的に面白かったです。(そのチョッキも、ベストに

なり、今ではジレと呼ばれているらしいですが)

 

あるいは49ページ

I think that that that that that writer used is wrong.

をどう読むか。(意味がきちんと取れていないと、どう読んでいいか

わかりません)

 

第三章「科学的な単語のおぼえ方」は、接辞/語源/音のイメージによる

語彙増強を提案します。

この種の本はいくつも出ていますが、辞書的に羅列した無味乾燥な本では

なく、小ネタをあわせることで

 

興味を持って読み進められます。

 

「England にしても、Angles' Land (アングル人たちの国)が形を変えた

もの」(84ページ)というくだりに、フランス語の Angleterre (イギリス)が、

Angle + terre (土地)だとストンと理解しました。

 

あるいは、「卒業のことを英語ではgraduation といいますが、米語では

commencementといいます」(100ページ)を読むことで、2005年にSteve Jobs、

今年はOprah Winfryがスピーチをしたスタンフォード大学の卒業式が、

Commencement ceremonyと呼ばれていたことを思い出し、かつ正しく

理解せずに読み/聞き流していたことを思い知るのでした。

 

「学校を出ることに、終わりよりも将来の活動の開始を感じるところに、

アメリカらしい生命の躍動が感じられます」(100ページ)ということ

らしいです。

 

第四章「やさしい言葉がきらいな日本人」では、基本語、特にdo、have、

get、go、come などの動詞をフルに活用することで様々な表現ができる

ことを181の例文を紹介して説いています。

 

(この本の前に持ち主が例文の頭に番号を振っていたので、181とわかり

ました。暗記用例文によいでしょう) 

 

第五章「生きている英語・死んだ英語」

ここで「生きている英語」として紹介されていたものの、今では「死んだ

英語」となっているものもちらほら。

 

合成語、品詞の転用、前置詞・補語の活用というアプローチに注目。

 

第六章は会話における文法からの逸脱の例。第七章は会話のテクニック。

 

第八章では、英文学者・評論家の中野好夫氏が旧制高校時代に下宿で

行っていた多読を紹介しています。

「すこしやさしいテキストを、できるだけ辞書をひかずに読む。少しぐらい

わからない単語があっても、それを知らないと全体の理解の上でどうしても

困ると言う場合を除いて、できるだけ辞書をひかない。そして頭から、

センス・グループ、センス・グループと、読み下していく」(237ページ)

 

ただし中野氏は同時に旧制高校のテキストについては発音・文法・語法の

あらゆる角度から精読して授業に臨んでいたということなので、どちらが

どのくらい効果があったかというのは言えません。

(だからといってどちらにも手をつけないというのではなく、両方やれば

良いわけですが)

 

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■感想

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面白かったです。

フルに楽しむのは40代後半から上の読者でないと時代背景などピンと

こないかもしれませんが。

 

英語学習を考える際に、学習心理の側面も重要だと再認識させられました。

 

「継続は力なり」というものの、継続を容易にするために、

モチベーションを上げるために、授業/学習を楽しいものにする工夫が必要です。

  

 

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■おまけ

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このメルマガを始めたのはちょうど一年前です。

今と同じように決算作業に追われながら原稿を書いていました。

 

違いといえば、

 

・自分で決めていた毎週火曜日の発行日を守れなくなっていること

・書くに値する本が手元になくなってきたこと。

 

というところでしょうか。

 

50号のところで、一旦終了とさせて頂きたいと思います。

面白い本が見つかれば、忘れた頃に出すかも知れませんが。

 

 

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発行者略歴

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澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)

1962年生まれ。福井県出身。証券会社の経理マン

 

2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠

(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。

 

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メルマガ名: 語学の虎の巻[書評]英語・外国語学習法

発行者 : 澁澤寅彦 ( shibu.tora@gmail.com)

発 行  : まぐまぐID= 0000238273

配信停止 : http://blog.mag2.com/m/log/0000238273/

 

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