語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2008/09/11

[]050号 「語学はやり直せる!」 08:14 050号 「語学はやり直せる!」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 を含むブックマーク はてなブックマーク - 050号 「語学はやり直せる!」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 050号 「語学はやり直せる!」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 のブックマークコメント

 

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英語・仏語・伊語 トリプル三冠王による

語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法 - 050号 (最終号?)-

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■今週の本 「語学はやり直せる!」

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買う??: ★★★☆☆

 

黒田さんの本はどれも面白いです。

 

「語学はやり直せる!」 黒田龍之介

角川oneテーマ21 2008.02

アマゾンはこちらから

http://www.amazon.co.jp/dp/4047101265/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

 

 

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■内容

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章立ては以下の通りです。

語学がいっぱい/語学を続けるために/語学の「常識」を疑う/理想の

語学教師を求めて/語学のプロは修業する/たとえば英語学習をやめてみる

 

「1 語学がいっぱい」では、外国語に触れる機会を増やすために「身の

回りに語学がいっぱいあるようにしている」著者の工夫が紹介されています。

語学の王道は読書-> ペーパーバック多読/マンガの外国語訳を読む/DVDで

映画を字幕付で観る(最初は日本語字幕、次は外国語字幕)

このあたりまでは他の本でも出てきそうな話ですが、以下のものは興味

深かったです。

 

・パソコンのキーボードで覚える語学 (36ページ)

特殊文字を使う原語には良いかも知れません。著者はリトアニア語でこれを

行ったのですが、以下のようなものです。

1.PCの設定を変えて言語設定をリトアニア語にする

2.試行錯誤でキーの配列を覚える

3.あとはテキストを見て打ちまくる

 

私はアラビア語を始めようとしているのですが、文字が難しいのでこの方法を

試してみようと思いました。

 

・子供向け辞書を書き写す (39ページ)

著者はベルリッツの子供向けの「Picture Dictionary」を奥さんと一緒に

毎朝5分、1ページ二段組みの一段分を2回ずつ書き写していったとの

ことです。(奥さんはフランス語、著者はイタリア語。これを終えて奥さんは

ドイツ語、著者はスペイン語に移ったそうです)

ここでは未知の言語でこの作業を行っていて、上達は期待していないことに

注意が必要です。著者も著者の奥さんも多言語やっていらっしゃるので、

趣味としての要素が大きいと思います。

独仏伊西語で出ていて、内容・例文がいずれも同じだそうですので、複数

言語の入門としては面白いと思います。

 

Berlitz Kids French Dictionary アマゾンはこちら

http://www.amazon.co.jp/dp/9812463879/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

 

英語学習者は、英語のPicture Dictionaryを書き写すというのも良いと思います。

 

・多言語なラジオ放送をインターネットで (42ページ)

著者は、チェコ、カナダ、英国(BBC)のインターネットラジオを紹介しています。

それぞれ自国語以外でも複数の言語で情報を提供しています。

 

外国語インプットに際して、背景知識の有無が理解度に大きな影響を与えます。

日本にいる私たちは、NHKのRadio Japan の外国語放送を聞くのが、背景知識が

分かっているので理解しやすいわけですが、放送時間も限られています。

 

自分が良く知っている国が既にあるのであれば、その国の放送局の多言語放送を

聞くというやり方があると思いました。

 

例えば、フランス語では私はRadio France Internationalを聞いていますが、

フランスには住んだことがないので良く分からない部分があります。

その場合に例えば英国のBBCのフランス語放送を聞くことで、英国に関する

背景知識を生かしながら、「フランス語」の習得に特化できるということが

あるでしょう。

 

もちろん望ましいのは一日中Radio France Internationalを聞いて、そのうちに

フランスに関する背景知識も積み上がっていくと言うことなのですが。

 

次にやろうとしているアラビア語も、いきなりサウジのラジオ放送を聞くの

ではなく、NHKやBBCから始めるだろうと思います。

 

 

「2 語学を続けるために」

「続ける」ほど積極的でなくていい。「語学でもっとも大切なのはやめないこと」

 

やめないためには、楽しみが必要。その他の二つのポイントは「語学は時間が

かかるということ」「復習を忘れないということ」

後者については、入門書を二種類買って交互にそれぞれ三回くらい繰り返す、

あるいは好きな本、映画を何度も読む/見ることを薦めています。

 

入門書を二種類買うというのは賛成です。(薄い入門書にしましょう)

 

 

「4 理想の語学教師を求めて」

外国語を学習しているとしても語学教師を目指している人ばかりではないと

思いますが(私は少し検討していますが)、参考になる部分も多いです。

文法用語を多用しないこととか、発音が良いこととかなど。

 

・「言語は文化であるから、語彙や文法といっしょに言語外現実(ある言語が

話されている地域に関する知識)だってやっぱり学習すべきだしそのほうが

ずっと楽しい」(125ページ)

「(言語外現実を無視して)国際的に共通する情報部分だけを獲得したって、

そんな薄っぺらなビジネスマンに明日はない。相手を理解するための基礎

知識こそが言語外現実」(126ページ)

耳が痛い所ですが、文学の先生からするとこのようなコメントになるので

しょうか。

 

私もイタリア文学の教授に「君の外国語は記号だよ。言葉ではない」と

言われたことがありますし。

 

・「語学教師こそ多言語学習を」(136ページ)では、著者が語学講師時代に

「毎年4月の通勤電車の中で新しい外国語の入門書を読むことを自分に

課していた」とあります。

新年度になって新たに外国語を始める初学者の気持ちを理解しようとする

ものです。

 

・「外国語学習に関してのカウンセリングを行うカウンセラーになりたい」

という著者の気持ちには激しく同意。

English Journalのアルクが「英語学習アドバイザー資格認定制度」をやって

いるので、ちょっと興味があります。

サイトはこちら

http://www.alc.co.jp/event/esac/

 

資格はないですが私で良ければご相談に乗ります。ご連絡ください。

 

 

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■追加

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その他、最近読んだ本から

 

1.「続 知的生活の方法」(渡部昇一著 講談社現代新書)

http://www.amazon.co.jp/dp/4061455389/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

ベンジャミンフランクリンの文章上達法を簡単にした「原文復元法」を大学生

時代の春休みに二ヶ月ほどやったとのこと。やり方は

 

・一つのパラグラフを日本語訳する

・丁寧に原文を読み頭に入れる

・自分の訳文を見て、原文に復元する。間違ったらできるまでやり直し

・翌朝、前日の訳文を見て原文に復元する。間違ったらやり直し。終わったら

次のパラグラフへ

・日曜に一週間分を全部。間違ったらできるまでやり直し。

 

見ただけで気分が悪くなりそうです。

著者は春休みの終わりに原因不明の熱で10日間寝込んだそうです。

 

著者が使ったのは Hamerton の The intellectual life.

http://www.amazon.co.jp/dp/1428630821/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

著者による日本語訳が出ています。

「知的生活」(渡部昇一著 講談社学術文庫)

http://www.amazon.co.jp/dp/4061589857/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

 

ところで、すごいことを実践されている人を見つけたのでご報告します。

シンガポール在住で英仏中三冠王のgaikokugo_daisuki_ojisanさんは、

170ページあまりのフランス語の本を1ページずつどんどん暗唱しています。

この方のアプローチは渡部/フランクリン方式というよりは、シュリーマン

方式ですね。

gaikokugo_daisuki_ojisanさんのブログはこちら。

http://blogs.yahoo.co.jp/gaikokugo_daisuki_ojisan

シュリーマン方式を実際にやれる人は凄い!!

 

2.「英語の新しい学び方」(松本亨著 講談社現代新書)

http://www.amazon.co.jp/dp/4061154524/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

 

1965年に出た本が引き続き「『新しい』学び方」であるかという点ですが、

いくつか新たな視点を得ることができました。

 

49ページ「単語は形でおぼえる」では、綴りのでこぼこといった形ではなく、

文字の並びを見たところで音にせずに意味をつなげるようにするやり方の

一つです。(おそらく)

 

Czechoslovakia (チェコスロバキア)という単語も20回見れば覚えるという

力づくの部分もありますが、接辞と語源により類推力を高めようとする部分も

あります。

(Czechと来たらチェコ関係の語彙だと絞り込めます)

 

また、英語を書くための基礎トレーニングとして、「入れ替え作業」を勧めて

います。

例えば

Mr Brown walks to work every morning. -> rides to work -> every afternoon

のように、一部分を置き換えていくものです。

後の「会話のひけつ」では「パターンにとらわれるな」(168ページ)と言うの

ですけれども、この入れ替え作業/パターン練習は「正確な文章を書く基礎」

であり、「すくなくとも1年間、1日に100題の原文を使って毎日やることを

おすすめする」と言われると、始める前からくじけてしまいます。

 

「英語をマスターしたいあなたへ」においては、もしあなたが社会人なら

「1日にすくなくともまとめて3時間は英語を読んでください」「(書くことは)

1日に1時間でけっこうです」とするなど、圧倒的な量を要求します。

 

楽して英語を身につけようとする現代では、これが「『新しい』学び方」

なのかもしれません。

 

 

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■おまけ

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ようやく50号にたどり着きました。

これを区切りに、お休みに入らせていただきます。

一年間ご購読ありがとうございました。

 

私自身、とても勉強になりましたし、外国語学習への考え方も大きく

変わりました。

 

今後面白い本を見つけたら、ブログ「語学の方程式」でご紹介したいと

思います。

ありがとうございました。

 

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発行者略歴

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澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)

1962年生まれ。福井県出身。証券会社の経理マン

 

2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠

(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。

 

日本通訳学会会員

 

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メルマガ名: 語学の虎の巻[書評]英語・外国語学習法

発行者 : 澁澤寅彦 ( shibu.tora@gmail.com)

発 行  : まぐまぐID= 0000238273

配信停止 : http://blog.mag2.com/m/log/0000238273/

 

─著者ブログ 他─────────────────────────

『語学の方程式』(語学関連の日々の活動と発見)

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2008/08/14

[]049号 「お金を使わない英語勉強法」 12:00 049号 「お金を使わない英語勉強法」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 を含むブックマーク はてなブックマーク - 049号 「お金を使わない英語勉強法」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 049号 「お金を使わない英語勉強法」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 のブックマークコメント

 

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英語・仏語・伊語 トリプル三冠王による

語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法  - 049号 -

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■今週の本 「お金を使わない英語勉強法」

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買う??: ★★☆☆☆

24ページからの「お金を使わずに英語を身につける9の法則」をパラパラ

見てから買うかどうか決めましょう。

「お金を使わない英語勉強法」 小坂貴志

PHP新書 2007.11

アマゾンはこちらから。

http://www.amazon.co.jp/dp/4569696643/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22


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■内容

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序章「お金をかけない方が、生きた英語が身につきます」

自分の身近にある素材を使う。

これには二つの意味があり、一つはスタジオ録音などの音質の良い音源

だけを聞くのではなく、実際の状況に近い雑音混じりのものを聞くと言う

こと。大学受験のリスニングやTOEICでは、聞きにくかったと文句を

言えますが、実社会ではそんな言い訳は使えません。

もう一つは、自分の日常活動(仕事も含む)に密着したコンテンツを選ぶと

言うこと。外国語の理解には背景知識の理解が大きな役割を果たします。

読んで/聞いて分からなかったとき、実は外国語能力不足ではなく、背景

知識不足が原因という可能性があります。この切り分けを容易にするため

にも、身近な話題を選ぶの がよいでしょう。

「短いスパンで学習度を測る尺度として、私は『時間』をお勧めします」

(19ページ)

外国語能力の発達という質的な変化を数値化するのは難しく、そこに

投入した学習も質的な部分は数値化しにくいです。よって、「時間」を単位と

して目標を設定して、日々の進度をモニターしようというものです。

これは良いかも知れません。


「第2章 すべては音読から始まる」

「音読がすべての出発点」(45ページ)として、この章にかなりのページを

割いています。(全194ページ中35ページ)

國弘正雄氏の只管朗読も紹介されています。(本書では只管多読となって

いますが)

ただし國弘氏が同じテキストを繰り返して読むことを勧めるのに対し、

著者はむしろ乱読を勧めています。

この「同一のものを何度も繰り返す」と「次々と目先を変える」との間の

選択は、外国語学習のいろいろな場面で出てきます。

同一素材の繰り返しの方が定着するが飽きる。目先を変えると興味が

維持されて継続することが容易。ただし効果は(比較の上で)低い。

 

いくつか興味深い記述があります。

「内容理解につとめる」として、「音読のための音読になっていて、読んでは

いるが理解していないと言うことがあります」(54ページ)

発音練習(リズム、イントネーションを含め)の為の音読であれば、意味を

考えずにということもあるでしょうが、意味を理解しないとどこで文を

区切るかとか、どのような抑揚をつけるかとか分かりません。

中学で国語の宿題に「教科書を読んできて」というと、ちゃんと内容を

理解してくるのに、英語だと意味を気にせず音読だけしてくる生徒がいる

と言う話を読んだことがあります。

他方、(最近の私のお気に入りの)「言葉の処理のための脳内メモリーの

許容量が小さいので、一度にたくさんのことは出来ない」という立場から

すると、発音も気にしつつ意味も取りながらというのは難しいので、

(シャドーイングでの区分に従って)発音に着目したプロソディー音読と、

内容に着目したコンテンツ音読とを意識して区分して練習するのが良い

かも知れません。

「発音を類推する」(58ページ)では、「音読により発音を類推する力が

増える」と言うものの、それ以上の説明が無く、何が言いたいのか良く

わかりません。

他方、不規則な発音ばかり目につく英語でも、実はルールに沿った単語が

多いことに気づけば、(意味が分からなくとも)「発音できる」単語が一気に

増えることになります。

「発音の矯正には音楽メソッド」(60ページ)

「外国語の歌を歌う」ことを勧める人は多いです。私もその一人です。

歌うのが好きな人にとっては「楽しい」勉強法なので「続けられる」のが

大きなメリットです。

さらに、音の連結や脱落が自然な形で覚えられるとか、リズムに乗せる

ことで日本語と異なる音節のとらえ方のイメージがつかめるなどの効果が

あるでしょう。

65ページからの「音読のコツ- 実践編」では、「(毎日の)読む時間を決める」

「速音読をする」などのアプローチが提示されています。

そういえば中学の頃は速音読をやっていました。

外国語学習になれてくると、実際に音に出して練習することが減り、

シャドーイングも声に出さないシャドーイングになってしまいます。

そうすると、いざ話そうと言うときに、「口が回らない」ということに

なります。

プロの通訳の方たちも、口を滑らかにするために音読をやっているらしい

ので、私たち一般学習者はもっとやらないといけませんね。(私も反省)

第3章 シャドーイング

著者は通学時間に歩きながらリスニングやシャドーイングをやっていた

とのこと。私もやっていました。

ここで興味深かったのは、ヘッドフォンは片耳だけにして、外部の音を

あえて入れることで、「自然な」環境にしていたというところです。(最近の

インナーイヤータイプのヘッドフォンは両耳に入れると自分の声がこもって、

シャドーイングにそもそも向かないと思いますが)

また、一語聞こえたらすぐシャドーイングを始めるのではなく、数秒

遅らせて行う「時差シャドーイング」が紹介されています。これは短期

記憶の強化につながると思いますので、私もやってみようと思いました。

第4章 サイトトランスレーション

著者は3章のシャドーイングと、この4章のサイトトランスレーション

(以下サイトラ)で「第二部 応用編 『マルチ処理』で英語は確実に身に

付く」を構成しています。

サイトラは、「目で読んだ(sight)テキストを、読んだ順序のまま、多言語に

口頭で移し変えていく作業です。」(95ページ)

「I am delighted to be here....」を「光栄です/いられて/ここに」と

いう風に訳していくものです。

通訳訓練から持ち込まれているものですが、サイトラを初中級者がやるのは

危険な気がしました。

結局のところ、一語一訳語対応から抜け出せない悪しき英文和訳が語順も

整わないままに吐き出されるような気がします。

「第6章 単語力を鍛える」では、「一語一訳の呪縛から自らを解放」する

ことを目指します。

「一語一語の癖をなくし、原語本来の意味の幅を復活させるには、徹底的な

実践翻訳教育が考えられます」(128ページ)

全く同意です。

学校での英文和訳を目の敵にする主張がありますが、とらえ方に誤りが

あると思います。

翻訳的アプローチで学校の英文和訳に臨むならば、英語力は飛躍的に伸びる

と思います。

著者は「翻訳アプローチの開始として、辞書に頼るのではなく、辞書を

ひかずに文脈の中から意味を類推する方法」を提示します。

未知語であっても、四度目までは辞書を引かないというアプローチは、

私には逆に面倒な気がします。(それぞれ何回目の遭遇か覚えていられない

ですし)

気になった単語はしばし放置して、しかる後にそっと辞書を引くと言うこと

でしょう。

その場合も「辞書を『ひく』のではなく読むようにします」(134ページ)

というのは、私が実践している「ざっと訳語を読んで単語の意味の輪郭を

つかみ、しかる後に訳語を忘れるように努める」ということだろうと

思いました。

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■感想

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マルチ処理という言葉があちらこちらに出てきます。

これまで読んできた本にも出ていたのかも知れないのですが、先日

英語のメンタルレキシコン―語彙の獲得・処理・学習」を読んでから気になるようになりました。

例えば79ページの「歩きながらのシャドーイング」について、「この

『ながら勉強』ともいえる英語学習法は、実は現在流行りとなっている統合、

マルチ処理をもっとも効率よく可能にしてくれる勉強法だったのです」と、

何かをしながら(ラジオなどで)英語を聞くことを「マルチ処理」と呼んで

います。

「現在流行り」の「統合、マルチ処理」が何を指しているのか、不勉強な

私は知らないのですけれど、歩きながらの場合は、歩く行為が無意識で/

自動化されて行われているので、リスニングとメモリーのリソースの

取り合いになっていないだけなのではないでしょうか。

自動車の運転もはじめの頃は両手両足、目、耳を使うのにいっぱいいっぱい

なのですが、やがて慣れるとラジオを聞いたり、助手席の人と話をしたり

するなど余裕が出てきます。

結局のところマルチ処理と呼ぶかどうかは別として、外国語の上達とは一つ

一つの能力をしっかり身につけて次々に自動化し、メモリーを開放していく

道のりだと感じる今日この頃です。


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■おまけ

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四半期決算が終わった後、そのまま夏休みに入ってしまい、発行が

遅れました。

次はいよいよ50号。最終号(?)です。

まだまだ暑い日が続きます。お体にはくれぐれもお気をつけください。

 

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■発行者略歴

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澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)

1962年生まれ。福井県出身。証券会社の経理マン

 

2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠

(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。

 

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メルマガ名: 語学の虎の巻[書評]英語・外国語学習法

発行者 : 澁澤寅彦 ( shibu.tora@gmail.com)

発 行  : まぐまぐID= 0000238273

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2008/07/24

[]048号 英作文を添削してくれる人がいないときに読む本 06:35 048号 英作文を添削してくれる人がいないときに読む本 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 を含むブックマーク はてなブックマーク - 048号 英作文を添削してくれる人がいないときに読む本 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 048号 英作文を添削してくれる人がいないときに読む本 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 のブックマークコメント

 

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■今週の本 英作文を添削してくれる人がいないときに読む本

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買う??: ★★★★☆

書く力、英語のニュアンスを身につけて行くには必要だと思います。

中級者以上。

 

1 「受験英語禁止令」 小倉 弘

研究社 1998/12

アマゾンはこちらから。

http://www.amazon.co.jp/dp/4327451274/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

2 日本人英語の誤用診断事典 小笠原 林樹

研究社出版 1997/07

アマゾンはこちらから。

http://www.amazon.co.jp/dp/4327461296/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22


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■はじめに

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独学学習者にとって不安なのは、自分の書く、話す英語が正しいか自信が

持てないことです。

作文の添削講座はお金がかかるし、続けるには強い意志が必要ですし。

かと言って、外国語学校に通ってみても、間違えたくないという気持ちが

出てしまうと、話せない話題は避け、自信のない言い回しはやめて別の

表現を使う、あるいは黙ってしまうという回避行動に出るために、そもそも

直してもらいたい間違いの回数が減ってしまいます。

他方、講師の側も、間違いを指摘すると萎縮してしまって話せなくなるので、

それを避けるためにあえて指摘しないというケースもあるようです。

結局、家で勉強していても外国語学校でも、誰も間違いを直してくれない

ということになります。

 

そうした中でどうすれば良いのか。

 

自分の間違いから学べないならば、他人の間違いから学べば良いわけで、

良くある誤用例を集めた本を手にし、

・自分にはこの文がおかしいと指摘できるか

・どこをどう直せば良くなるか

 

と考えながら読み進めるのは、とても良いトレーニングになると思います。

欠点としては

・一つ一つの誤用例をこなすのにかなり時間がかかると言うことです。

さらにそれを自分のものにしようと思うと、反復が必要ですのでもっと

時間がかかることになります。

今回取り上げた本がベストだというわけではなく、(もちろんベストである

可能性もあるのですが)たまたま私が(ブックオフで買って)自宅に置いて

あったと言うだけのことです。


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■内容

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1の「受験英語禁止令」は、178ページ。上述のように、速く読めない

本ですので、薄めの本で一回仕上げて満足感が得られて良いでしょう。

著者は受験予備校の代々木ゼミナールの講師であり、またタイトルから

分かるように、受験英語と結びつけて記述しています。

よって、受験英語の音声/被害を強く受けた人ほど、本書のインパクトが

強いでしょう。

 

私もあちこちに付箋をつけました。助動詞の説明など、とてもわかりやすい

と思いました。

と言いつつも、授業時間が限られている学校教育の現場でこのような細かい

ニュアンスの話をし始めると、混乱するだけかもしれません。

 

発音にしろ、文法にしろ、例外事項が多く、かつ試験問題にも例外事項が

出やすいという中で、さらに(一種の)例外事項を詰め込むのは、(仮にうまく

行ったとしても)英語の力にならないような気がしています。

まずは、(発音も文法もニュアンスも)幹となる部分をしっかり身につけて、

それが終わったところで微調整をしていくというのが良いだろうと思って

います。

 

こんなこと中学高校では学ばなかったと憤るのではなく、そういう順番で

学ぶものなのだと思えば良いのだと思います。

2. 日本人英語の誤用診断事典

 

これの良いところは、分厚くて用例が豊富なところです。(323ページ!!)

悪いところは、分厚くて、読み通すのに時間がかかって、達成感がなかなか

得られないことと、絶版が近いとされていて、入手が困難になりつつある

ことです。

1にしろ、2にしろ、「次の文のおかしいところを直しなさい」とあって、

とかもおかしいところがイタリック(斜体)となっています。

よって、「ここがおかしいのだ」という姿勢で文の間違い探しを行うことが

できます。

果たして、おかしな部分があるとも無いとも言われずに「添削してください」

と渡されたときに、同じように指摘できるかは難しいところです。

 

3. (おまけ)  「英語ライティング実践講座」ケリー伊藤 

研究社 (2006/05) 197ページ

アマゾンはこちら

http://www.amazon.co.jp/dp/4327452009/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

実はこれはまだ手をつけておりませんが、このシリーズの評判がよいので

購入したものです。

取りかかれるのはもう少し先になりそうです。

三冊ともに研究社というのが興味深いです。


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■感想

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独学の場合、アウトプットをどのように洗練していくかは大きな問題です。

自分の受験英語の経験からすると、

「基本文例の暗唱 -> 和文英訳をたくさんやる -> 多聴・多読でニュアンスを

微調整する」

という流れだと思っておりました。

他方、多聴・多読で自分が使う/使いたい表現に出会うケースは決して

多くなく、よって多聴・多読だけでやろうとすると大変な量が必要になると

思います。(多聴・多読で語彙を増やそうとする場合もそうですが)

「目にした、耳にした表現しか使わないようにする」という方針はなかなか

実現が困難です。

よって、本書のような誤用例文集による学習が効率的だと考えるわけです。

 

誤用例文集ではないのですが、私も受験勉強の中で、この種の解説が多い

問題集を大量にやった記憶があります。

もう一度手にしたいと探しているのですが、書名が思い出せず発見できて

いません。


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■おまけ

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今回のような本は書評が難しいです。(そもそもこれまでのメルマガも書評に

なっていたかどうかやや怪しいですが)

最近同僚の英文メールを添削する機会が何度かあり、自信を持って「ここが

こう違う。こうすべき」となかなか言い切れない部分があって今回取り

上げることにしたものです。

特に、日本人の書いた英語は日本人には意味が分かってしまうので、

そこから抜け出して英語らしい表現に直して行くには努力が必要です。

 

 

四半期決算が始まってしまったので、また間が開いてしまいました。

ごめんなさい。

一応の節目となる50号までもう少しです。

(妻Rはとうとうメルマガという単語がおぼえられず、いまだに「メルガマ」

と言っています)

 

最後までがんばります。

 

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■発行者略歴

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澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)

1962年生まれ。福井県出身。証券会社の経理マン

 

2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠

(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。

 

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メルマガ名: 語学の虎の巻[書評]英語・外国語学習法

発行者 : 澁澤寅彦 ( shibu.tora@gmail.com)

発 行  : まぐまぐID= 0000238273

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『語学の方程式』(語学関連の日々の活動と発見)

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2008/07/05

[]047号 「改訂新判 英語に強くなる本」 22:18 047号 「改訂新判 英語に強くなる本」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 を含むブックマーク はてなブックマーク - 047号 「改訂新判 英語に強くなる本」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 047号 「改訂新判 英語に強くなる本」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 のブックマークコメント

 

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語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法  - 047号 -

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■今週の本 「改訂新判 英語に強くなる本」

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買う??: ★★★☆☆

とてもお勧めなのですが、「入手が難しい、中身が古いかもしれない」で

★三つ。

 

読んでいただきたい方

「おとな」の方

 

「改訂新判 英語に強くなる本」 岩田一男

カッパブックス 1961.8 増補版 1965

  

アマゾンは(もしあれば)こちらから。図書館でお探しください

http://www.amazon.co.jp/dp/4334001610/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

 

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■内容

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1961年に既にこんな本が出ていたというのは衝撃でした。

先日ご紹介した晴山洋一「英語ベストセラー本の研究」(幻冬舎新書)に

紹介されていて興味を持った本で、アマゾンで中古で入手しました。

 

送料込みで、2,140円でしたが、価値は十分ありました。(書き込みが

多かったのですが)

 

手にしたのは昭和47年7月15日発行の298版でしたが、いったいどこまで

版を重ねたのでしょう。

 

再版をお願いしたいところですが、PC(Politically correct)の現代では

不都合な表現も多く、大幅な見直しが必要になるでしょうね。

 

全10章で構成される本書は以下の章立てです。

 

1 どうして、英語ができないのか/2 日本人はなぜ発音に弱いのか/

3 科学的な単語のおぼえ方/4 やさしい言葉がきらいな日本人/

5 生きている英語・死んだ英語/6 先生も教えてくれない英語のルール/

7 英語を話すコツ/8 英語を読む秘訣/9 英語の底を流れるもの/

10 外国へ行く法

 

 

第十章「外国へ行く法」は、1965年の増補版で追加されたと思われますが、

「昭和39年4月1日から観光旅行も自由化され」とか、「観光旅行の場合、

持ち出せる外貨は一年一回500ドルの制限があります」(273ページ)とか

あると、「古いなぁー」という感じがします。

 

「話し言葉に重点」を置き、中学二年程度の英語を最大限に生かして高度な

内容を表現しようとします。

(と言いつつ、「おとな」の会話もあちらこちらに出てくるので、中高生には

お勧めできないのですけれど)

 

この本の良いところは、面白い/飽きさせないところです。

 

著者の授業(当時は一橋大の英語・英文学の教授)もこんなだっただろうと

いうことが、生き生きと目に浮かんできます。

 

あちらこちらにちりばめられるおやじギャグを時々うっとうしく感じる

こともありますが、"Hello George"を、「やあ、譲二」と訳すような

(208ページ)小技を見落とさないようにと、さらに熱心に読みました。

 

興味深い雑学知識も盛りだくさんです。

 

39ページ 日本語のチョッキという言葉が英語の jacket の発音から

来ているというのは、個人的に面白かったです。(そのチョッキも、ベストに

なり、今ではジレと呼ばれているらしいですが)

 

あるいは49ページ

I think that that that that that writer used is wrong.

をどう読むか。(意味がきちんと取れていないと、どう読んでいいか

わかりません)

 

第三章「科学的な単語のおぼえ方」は、接辞/語源/音のイメージによる

語彙増強を提案します。

この種の本はいくつも出ていますが、辞書的に羅列した無味乾燥な本では

なく、小ネタをあわせることで

 

興味を持って読み進められます。

 

「England にしても、Angles' Land (アングル人たちの国)が形を変えた

もの」(84ページ)というくだりに、フランス語の Angleterre (イギリス)が、

Angle + terre (土地)だとストンと理解しました。

 

あるいは、「卒業のことを英語ではgraduation といいますが、米語では

commencementといいます」(100ページ)を読むことで、2005年にSteve Jobs、

今年はOprah Winfryがスピーチをしたスタンフォード大学の卒業式が、

Commencement ceremonyと呼ばれていたことを思い出し、かつ正しく

理解せずに読み/聞き流していたことを思い知るのでした。

 

「学校を出ることに、終わりよりも将来の活動の開始を感じるところに、

アメリカらしい生命の躍動が感じられます」(100ページ)ということ

らしいです。

 

第四章「やさしい言葉がきらいな日本人」では、基本語、特にdo、have、

get、go、come などの動詞をフルに活用することで様々な表現ができる

ことを181の例文を紹介して説いています。

 

(この本の前に持ち主が例文の頭に番号を振っていたので、181とわかり

ました。暗記用例文によいでしょう) 

 

第五章「生きている英語・死んだ英語」

ここで「生きている英語」として紹介されていたものの、今では「死んだ

英語」となっているものもちらほら。

 

合成語、品詞の転用、前置詞・補語の活用というアプローチに注目。

 

第六章は会話における文法からの逸脱の例。第七章は会話のテクニック。

 

第八章では、英文学者・評論家の中野好夫氏が旧制高校時代に下宿で

行っていた多読を紹介しています。

「すこしやさしいテキストを、できるだけ辞書をひかずに読む。少しぐらい

わからない単語があっても、それを知らないと全体の理解の上でどうしても

困ると言う場合を除いて、できるだけ辞書をひかない。そして頭から、

センス・グループ、センス・グループと、読み下していく」(237ページ)

 

ただし中野氏は同時に旧制高校のテキストについては発音・文法・語法の

あらゆる角度から精読して授業に臨んでいたということなので、どちらが

どのくらい効果があったかというのは言えません。

(だからといってどちらにも手をつけないというのではなく、両方やれば

良いわけですが)

 

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■感想

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面白かったです。

フルに楽しむのは40代後半から上の読者でないと時代背景などピンと

こないかもしれませんが。

 

英語学習を考える際に、学習心理の側面も重要だと再認識させられました。

 

「継続は力なり」というものの、継続を容易にするために、

モチベーションを上げるために、授業/学習を楽しいものにする工夫が必要です。

  

 

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■おまけ

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このメルマガを始めたのはちょうど一年前です。

今と同じように決算作業に追われながら原稿を書いていました。

 

違いといえば、

 

・自分で決めていた毎週火曜日の発行日を守れなくなっていること

・書くに値する本が手元になくなってきたこと。

 

というところでしょうか。

 

50号のところで、一旦終了とさせて頂きたいと思います。

面白い本が見つかれば、忘れた頃に出すかも知れませんが。

 

 

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2008/06/25

[]046号 「英語のメンタルレキシコン」 20:24 046号 「英語のメンタルレキシコン」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 を含むブックマーク はてなブックマーク - 046号 「英語のメンタルレキシコン」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 046号 「英語のメンタルレキシコン」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 のブックマークコメント

 

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■今週の本 「英語のメンタルレキシコン」

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買う??: ★★★☆☆

とてもお勧めなのですが、「分厚い、専門用語が多い、難しい、眠くなる」

で★三つ。

 

読んでいただきたい方

「英語教育、言語コミュニケーションの研究を志す大学院生、小・中・高の

現役英語教師、必読の一冊!」(帯より)

 

「英語のメンタルレキシコン」 門田修平編著

松柏社 2003.06  

アマゾンはこちらから

http://www.amazon.co.jp/dp/4775400495/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22


 

 

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■エッセンス

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頭の中にある辞書はどのようになっていて、どのように働くか。どうやって

作られていくのか、についての学術書です。

語彙習得に役立つヒントがあちらこちらに。

 

 

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■内容

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第二章「第一言語における語彙取得とことばの処理プロセス」

ガラスのコップに入った冷たい牛乳を指さして、母親が子供に「これは

ミルクよ」と言うとき、それがコップを指すのか、中身の液体のことか、

白い色を差すのか、液体である状態を指すのか。それらを子供はどうやって

判断し学んでいくのか。

「ラベリング」「パッケージング」「ネットワーキング」の三段階で

発展するとのこと。

外国語の多読で、あるいは外国で生活して辞書を使わずに単語を増やして

いくのはこんな感じでしょうか。

 

第三章「語彙知識とその測定」

「学習者の語彙知識は英語力の根幹であり、英語の四技能の運用能力を

十分に発揮するための基本的な能力である」(35ページ)

 

まずは語数の数え方が四種類提示されます。(なかなか新鮮)

 

延べ語数方式

同じ語が何回登場しても、そのたびごとに数える方法。

実務翻訳の翻訳料金とか、多読の語数カウントに使うのはこの方式。

 

異語方式

形が変われば別単語。ただし、二度目以降は数えない。

 

見出し語方式

辞書の見出し語。複数形や過去分詞や比較級などは別の語としない

 

ワードファミリー方式

派生形も同じ語とカウントする。たとえば –ly とか un- などの接辞を

つけたもの。

 

ワードファミリー方式の語彙数を見出し語方式で表すと、1.6倍から2倍に

なるとのこと。

本書のほとんどの箇所でワードファミリー方式をベースに議論が進むので

重要です。

 

接辞を覚えると語彙が増える。happy と unhappy で二つの単語になると

いうのは、見出し語方式での話で、ワードファミリー方式においては増えて

いないことになります。(unhappyなことです)

 

他方、「日本の学習者には屈折語や派生語に関する知識が乏しく、ワード

ファミリー方式による算定は適当でない」(40ページ)という意見もある

ようです。

ワードファミリー方式が主流になっていると言うことは、そのような語彙の

習得の仕方が本来だと考えられているのでしょう。

よって(本書には記述はありませんが)「屈折語や派生語を強化して、すでに

一部獲得している語彙を完全なものにしよう」と考えるのがよいのでしょう。

少ない労力で活用範囲が広がるわけですから、積極的に。

 

また、非母語話者が読解力で一定のレベルに達するには、ワードファミリー

方式で3000語レベル。若年母語話者が読書を楽しむには5000語程度必要

との説が紹介されます。

 

さらに、テキストを読むことで未知語を学習するには、6~10回、その語に

出会う必要があるという説も紹介されています。

語彙知識の広さと深さという概念も紹介されます。

 

第六章「語の意味表象へのアクセス」

ここで提示される「二重アクセスモデル」においては、文字から音韻表象を

経て意味表象につながるルートと、文字から直接意味表象につながるルートの

二つが描かれています。

 

読書の際に黙読であっても脳内音読するケースがありますが、このモデルに

よれば音声化する必要は必ずしもなく、文字から直接意味につながるケースが

あると言うことです。

 

第七章「英語の語彙知識と言語運用」

読解において、語彙が大きくなるにつれて語彙サイズの果たす役割が少なく

なり、語彙知識の深さが重要性を増す。(126ページ)

 

「学習者が英語に触れる機会が増えるにつれて、使われる単語の使用頻度は

変化する。頻度の高い2000語は少なくなり、University Word Listに出て

くる使用頻度の使用が増える」(130ページ)

 

語彙について、発表語彙=1/3*受容語彙だというようなことを、齋藤孝氏、

井上一馬氏が書いていたと思いますが、本書によるとその係数は、受容語彙

レベル5000語においては0.3。逆に1000語レベルだと0.7になります。

 

受容語彙>発表語彙の関係の中で、5000語の使える単語を身につけるためには

15000語の受容語彙を覚えなさいという主張があります。

 

私もこれまでは15000語覚えても5000語しか使える単語は残らないという、

何となく定着率のような感じで考えていました。

 

実際は15000語知っている人も、発表語彙としては5000語くらいしか

使わないと言うことであり、差の10000語は、読み聞きでわかれば良い

単語と言うことでしょう。

 

グラフの傾きが変化すると言うことは、初期レベルにおいては受容語彙の

かなりの部分を発表語彙に使えると言うことであり、また、そのような学習・

指導がなされるべきだと言うことです。

 

「全体として『発表語彙』を目指した指導が『受容語彙』の定着を目指した

指導よりも、語彙学習が促進される傾向が認められた」(133ページ)

 

リーディングと語彙力の関係では

読む=語彙*背景知識*文法 (本書では掛け算の形になっていませんが)

ここでは、重要性もこの順序です。

単語の意味を並べていってわからなかったときに初めて文法知識が登場する

というのは、以前「英文読解ストラテジー」でも読みました。

 

(引用開始)

「さて、ここで読解における語彙と文法の果たす役割を考えてみたい。Bever

(1970)やSchlesinger(1977)は、文の理解には統語上の処理、つまり文法の

操作よりも、単語のもつ意味のほうがはるかに重要な役割を果たすと

述べている。彼らにいわせると、外国語の文法の知識が多少不足していても、

文中の単語それぞれのもつ意味から十分推論を働かせることは可能で、

それにより文全体の理解に至ることが多いという。そして、それでも文意が

不鮮明であったり、あいまいで納得のいかない場合にのみ、統語上、つまり

文法上の知識に頼るのだと指摘している。ひるがえって、読む(あるいは聞く)

場合とは異なり、話したり、書いたりして表現する場合には、統語体系を

正確に操作できなければ、自己の意図を正しく伝えることができないため、

統語上の詳細の知識が重要となるという。」

(ここまで)

(「英文読解のストラテジー」大修館書店 天満美智子 68ページ)

 

注意

・ここではリーディングにおける文法知識の重要性が低いと言っている

だけのことで、その他の英語運用能力でもそうであるというわけでは

ありません。

・語彙と文法の境界も無いという考え方もあります。(本書でも後半で

紹介されます。)

 

 

既知語の占有率と読解について

「テキスト中の単語の95%を知っていれば相当な読解ができ、文脈から

未知語の推測ができる」(134ページ)

 

これと、先に挙げた「文脈の中で単語を学習する効果については、読んで

いるテキストに未知語が何回出てきたらその単語の意味が学習されるかと

言うことに関して、Saragi, Nation and Meister (1978)では10回、

Nation(1990)では6.7回の繰り返しが必要という見解がある」(44ページ)や、

(128ページ)「文脈から意味を推測することが必ずしも記憶につながらない」。

あるいは「段階別読み物(graded readers)を使った多読が語彙習得には

効果が無いという実証実験がある」(292ページ)などのあたりは、多読を

行う学習者には興味深いです。

 

楽しさを優先するあまりに正しい理解度をそれほど気にせず、同時に多読を

通して語彙を増やそうとする一部の多読実践者のアプローチでは、そもそも

正しく理解していないかもしれない文脈の中で未知語の意味を正しく推測

しようとするのであり、無理があると考えます。

 

本書に紹介されているように、95-98%の既知語により書かれたテキストを

読み、その中で未知語を推測するようにし、また多読は語彙の広さではなく、

深さを強化するものだと考えるべきでしょう。

 

もちろん、多読には語彙強化以外の多くのメリットがありますので、それを

否定するものではありません。未知語の習得には向いていないと言うこと

です。

 

第十三章「外国語の語彙学習と指導法」に、「欧米の出版社から出された

段階別読み物はGSLを使って書かれたものが多い」(269ページ)とあります。

 

GSLは、Michael WestのGeneral Service List for English Wordsで、

ワードファミリーで2000語が収録されています。

 

「英語にはワードファミリーで54000以上の単語があり、強要する大人の

母語話者でおよそ20000のワードファミリーを知っていると言われている。」

(266ページ)

 

他に興味深かったのは、285ページの接辞の知識を増やすことで語彙が

増加するという話です。

 

「頻度からみて最初の100語はゲルマン形の語が97%を閉めているが

1000語を超えると60%以上の語がラテン語、ギリシャ語等の語源を持つ

単語である。しかもそのようなラテン語、ギリシャ語の大多数の語が接辞を

つけて、ワードファミリーを形成するのである」

 

これはどういうことでしょうか。

 

日本人はラテン語系の単語を使いすぎる/giveとgetですべては表現できる

などという主張があります。

 

これは(推測するに)英語圏での会話を念頭に置いてのことだと思います。

 

「giveとget」と言っている松本道広も「giveやgetを用いた口語文は質が

落ちるので文章ではあまり使うべきでない、という人が多い。私もそう思う」

(「英語アレルギーの治し方」 松本道弘 149ページ)と書いています。

 

「基本動詞+前置詞(副詞)」のいわゆるphrasal verbにおいて、その

ニュアンスを正しく理解し使いこなすのは、非母語話者では無理だと

思われます。

その点からは、非母語話者の間ではラテン語系語彙の方がわかりやすい

と考えます。

 

さらに、話者がラテン語系言語(イタリア語、フランス語など)話者であった

場合、母語からの置き換えにより、ラテン語系語彙が使われる割合はさらに

高くなると考えます。

 

以上を踏まえるならば、英米文化・生活の深いところまで降りていこうと

いう人にとってはphrasal verbが必要ですが、そうでないならば、そちらは

割り切って、ラテン語系語彙の強化に努めるというアプローチがあるのでは

ないかと思います。

 

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■感想

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

脳の中で語彙の処理がどのようになっているかはよくわかりませんが、

その働きのモデルを作ってみて、その仮説を検証するためのテストを考え、

テストし、そしてモデルを修正する。さらにはそのモデルに基づいて教育・

学習のやり方を変えていくというのはとても面白かったです。

 

内容は決して一般的ではない本書を世に送り出した松柏社さんに拍手です。

松柏社の「より良い外国語学習法を求めて―外国語学習成功者の研究」と

いう本を昔読んで驚いたのですが、今回もそんな感じです。

(実は松柏社は語学教育関係の本をたくさん出しているということを今回

初めて知りました。)

 

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■おまけ

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中古のポータブルPCを買いました。

Windows Vista + Office 2007 で、まだまだ使いこなしていませんが、

会社の行き帰りにもPCに向かうことができるようになりましたので、

これまで以上にアウトプットに努めたいと思っています。

 

それとは全く関係無しに、左肘に水が溜まって腫れ上がりました。

 

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発行者略歴

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2008/06/17

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■今週の本 「英語できますか」

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買う??: ★☆☆☆☆

読む場合は第9章だけで可

 

「英語できますか」 井上一馬

新潮文庫 2003.08   

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■エッセンス

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・基本構文を覚える

・第一段階で覚えた基本構文に当てはめて使う単語や熟語をリスニングや

リーディングを通じて音で頭の中に蓄える

・スピーキングの練習をして、蓄えた英語を頭の中から引き出す回路を作る

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■内容

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第二章 私と英語

著者は東京外国語大学のフランス科に進学してフランス語を始め、二年間で

ほぼ通常の会話には困らないようになったと書きます。(38ページ)

私は第二外国語でフランス語をとり、一年目は落ちこぼれましたが、

しつこく勉強を続けて四年の時にはかなり話せるようになっていました。

中学高校と6年かけて、細かいレベルまで文法をやる学校英語と、基礎

文法を半年で仕上げて、その後は講読に移る第二外国語。

学校英語も文法は半年分の量のみとすれば良いと思います。

他方、語学習得の研究の難しさは、比較研究が難しいと言うことです。

二年でフランス語の通常の会話に困らなくなったと言っても、「それは中高

6年間の英語の勉強がベースになっているのだよ」と言われると反論が

出来ません。

もう一度子供に戻り、中高の6年間は外国語を一切やらず、大学に入って

初めてフランス語をやった場合に、2年間で同じくらい出来るように

なるのかどうか。

あるいは、これから中学一年になる児童の半分は英語の授業を取り、残りの

半分は一切外国語をやらず、それぞれのグループが大学に入ってフランス語を

2年間学んだ後の習得レベルはどうか。

などといった実験が出来ないのです。

フランス語と英語は、日本語と比べるととても近い言語ですから、英語

学習が役に立っていたことは間違いありません。

(フランスに憧れてフランス科に入ってフランス語を勉強したわけですから、

動機の強さという要因もあるでしょう)


第三章 国際語としての英語を学ぶ

1.学ぶべきなのはアメリカ英語でもイギリス英語でもなく、国際語

としての英語

2.私たち日本人は英語をアメリカ人のようにあるいはイギリス人のように

発音する必要はない

1には同意。但し、そうであるならば教材としてアメリカのテレビドラマを

勧めるのは注意が必要だと思います。

アメリカ文化・文学が専門の著者は気づかないのかも知れませんが、

国際語としての英語を学ぶべきところを土着の英語を覚える可能性が

あります。

2については、何がネイティブの発音かという議論はあると思いますが、

「分かりやすい」発音を目指して努力した結果が日本人式発音に終わると

言うことだと思います。

そもそもインド英語やシンガポール英語のように確立した日本英語という

ものがあるわけではありません。

(もしあったなら相手方は逆に聞き取りやすいでしょう。「日本人英語の

●●という音は、▲▲に置き換えれば良い」というパターンが出来上がり

ますから)

そんな中で、「これが日本人の英語なんだ」と開き直るというのでは、

「相手にメッセージを伝える」というそもそものコミュニケーションの

目的を忘れているわけで、よろしくありません。

しかし、120ページでは、初級会話の練習のところで「この段階をテープを

聞きながらきちんとやることで、完璧ではないものの標準英語に近い発音の

基礎も身につきます」として、やはり発音練習をやるべきとしています。

4.日本の学校英語の問題点

「文法を学ぶことは絶対必要」「それが外国語を学ぶ近道」としながらも、

「初めから文法をぎしぎしやったのでは、生徒はすぐ嫌になってしまいます」

とします。(76ページ)

初めから文法をぎしぎしやるのがだめなのは、生徒が嫌になるからダメなので

あって、嫌にならなければ問題にならないということです。

また、「初級の入門レベルのうちに、千語で英語を運用することをしっかりと

身につけなければなりません」(78ページ)としています。

この辺りは塩谷紘「独りで学べる英会話」とか、松本道弘の英文日記などと

同じです。

リスニングが重要/聞ければ読めるというアプローチは、グレゴリー・

クラーク式ですが、これこそ真面目にぎしぎしやったら大変すぎて生徒は

ついてこないのではないでしょうか。

6の「出直し英語成功法」でも初級会話に300時間、一つのテキストを

徹底的に(著者はアメリカ口語教本の入門と初級)やるべしとするのですが、

これもかなりつらいですね。

さらに7のリスニングの方法のところでは、2万語を覚えようと言います。

テレビドラマなどを録画して分かるようになるまで聞くというやり方は、

最初は楽しいかも知れませんが同じドラマを1~2週間ずっと繰り返して

聞いていて楽しいかどうか。

8のリーディングの方法では、リスニングと平行してリーディングを行い

語彙を増やすこと、「読んだままを訳さずに理解していくいわゆる『直読直解』

というやり方」に近づけていってくださいとあるのですが、どうすれば直読

直解になるのかが書かれていません。

そして9章で、「第6章から前章までの中でその具体的な学習法について

述べてきたわけですが」とあって「どこに?」とびっくりしてしまいます。

しかしこの9章は、著者が序章で「私の言おうとしているのは(とくに

言いたいのは第9章なのですが)」としているだけあり、参考になりました。

著者はシュリーマンの外国語学習法を参考にし、「自分の好きなときに、

自分の話したいことを話す練習」をすることが、「英語を話せるようになる

ための、最大にして最重要の秘訣です」(184ページ)としています。

これはこれで良いと思いますし、「併行して進めるリーディングとリスニングの

助けを借りながら、間違いを訂正したり、文章を整えて」(191ページ)

いくやり方も、独学者には大切なことです。

しかしここでも、「このスピーキングの練習は、あまり早く始めないほうが

いいと思います。リスニングとリーディングをしばらく(半年から一年

ぐらい)やって、頭の中に使える英語と文章がかなりたまってからにした

ほうが良いと思います」(190ページ)と書くのですが、78ページの

「中学一年生から英語を始めるとすれば、二年生までは文法は会話文の

効率的な理解に必要な程度にとどめて、なるべくテキストを使わずに、

あくまでもリスニングとスピーキングを中心に授業を進めていくべき」に

おけるスピーキングとの違いが明らかではありません。

ちなみに、シュリーマンの「古代への情熱」は参考文献リストには

新潮文庫版があがっていますが、本文では新潮文庫と角川文庫の両方が

出ています。

シュリーマンの勉強法の記述から見ると、著者が読んだのは角川文庫ですが、

本書が新潮社から出たことから参考文献に新潮文庫版の「古代への情熱」を

記載したものと思われます。

訳文の違いとシュリーマンの勉強法についての混乱については、メルマガ

第三号をご覧ください。

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/melma/20070717/1184678987




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■感想

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先週ご紹介した晴山陽一「英語ベストセラー本の研究」(幻冬舎新書)に

紹介されていたので再読しました。(アマゾンはこちら)

http://www.amazon.co.jp/dp/4344980824/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

晴山氏は時代背景にてらして公平に英語本を評価しようとしていたわけですが、

我々一般学習者にとっては、当時の評価よりも今の評価が大切だというのも

事実です。

前回2005年にこれを読んだ時は、「他の本で既に書かれている内容で、

新鮮味がない」とばっさり切り捨てたのですが、「自分がどの本を先に

どの本を後に読むかで、その本の評価が変わってしまう」ことになって

いました。

さすがにそれはまずいだろうと今回再読したわけですが、(新たな発見は

いくつかあったものの)やはり「??」が残る感じでした。

今回はそのモヤモヤ感がどこにあるのかを考えていて、このメルマガも

モヤモヤしたものになってしまいました。(時間もかかりました)

結局のところ、主張が一冊の中で整理されておらず、矛盾しているように

見える箇所があちらこちらにあるということでしょう。

自分がフランス語の時に使った勉強法がすごいと言っておきながら、それを

英語に試したらうまく行かなかったとし、過去の学校英語の影響でそう

なったとするが、それでは読者の多くの学校英語で苦労した人にはこの

勉強法は役に立たないように見えてしまう。

グレゴリー・クラーク式、シュリーマン式などが整理されずに詰め込まれて

いる感じがある。

「楽しくないと」と言いながら結構大変そうな勉強法。

「直読直解」とか「二万語の語彙習得」といいながら、具体的なやり方が

ない。

などなど。

読み直すきっかけとなった晴山陽一「英語ベストセラー本の研究」を読み

直しました。

「井上本は整然としている割に中身は雑然とした印象を受ける」(161ページ)

「井上発言に、飛躍が見られるのも確かである」(167ページ)

おっしゃる通りです。

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■おまけ

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仕事で引き続きバタバタしていて一週お休みになってしまいました。

申し訳ございません。

 

床屋にもまだ行けてません。

髪型もイケてません。


中級者向けの「フランス語・イタリア語勉強会」をネット上で開始しました。

テキストは、フランス語は Passages、イタリア語は Piazza。

どちらも東大出版会のものです。

招待制にしておりますので、ご興味のある方はご連絡ください。

それぞれ10名程度でやりたいと思っています。

サイトはこちら

http://language.so-netsns.jp/

テキストはこちら

フランス語 Passages (CD付) 別途CD無しもあります。

http://www.amazon.co.jp/dp/4130821148/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

イタリア語 Piazza (CD付) 別途CD無しもあります。

http://www.amazon.co.jp/dp/4130821172/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

 

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発行者略歴

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澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)

1962年生まれ。福井県出身。証券会社の経理マン

 

2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠

(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。

 

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メルマガ名: 語学の虎の巻[書評]英語・外国語学習法

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配信停止 : http://blog.mag2.com/m/log/0000238273/

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『語学の方程式』(語学関連の日々の活動と発見)

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『宝庫』(語学関連以外の日々の発見)

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2008/06/05

[]044号 「英語ベストセラー本の研究」 22:59 044号 「英語ベストセラー本の研究」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 を含むブックマーク はてなブックマーク - 044号 「英語ベストセラー本の研究」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 044号 「英語ベストセラー本の研究」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 のブックマークコメント

 

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英語・仏語・伊語 トリプル三冠王による

語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法  - 044号 -

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こちらです。

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■今週の本 「英語ベストセラー本の研究」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

買う??: ★★★★☆

時系列で歴史的背景を考慮しながらの書評は切り口が新鮮。

文法書のレビューまで入っているので、もはや私の役割は終わりました。

英語本マニアには、読書ガイドとして。

 

「英語ベストセラー本の研究」 晴山陽一

幻冬舎新書 2008. 5  

アマゾンはこちらから

http://www.amazon.co.jp/dp/4344980824/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■エッセンス

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戦後のミリオンセラーの級の英語本を時代の流れの中で分析し、なぜ

それらの本が多くの人に読まれたのかの謎を解いていくことで、日本人の

英語学習の弱点、究極の英語学習法が見えてくる。

 

取り上げた本は次の23冊/シリーズです。

 

1940年代 日米会話手帳/ジャック・アンド・ベティー

1950年代 和文英訳の修行/英文法解説/英文をいかに読むか

1960年代 アメリカ口語教本/英語に強くなる本/試験に出る英単語/

英語で考える本/基本英文700選

1970年代 英語の話しかた/國弘流 英語の話しかた/

なんで英語やるの?/英文解釈教室

1980年代 日本人の英語/「起きてから寝るまで」シリーズ

1990年代 DUO/英会話とっさのひとこと辞典/英語できますか?/

これを英語で言えますか?

2000年代 英会話・ぜったい・音読/

ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本/「超」英語法

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■まえがき

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

英語本の書評をメインにした本は、「この英語本がすごい」(中川淳 宝島社)

についで二冊目でしょうか。

前者は一冊あたり1ページ~2ページで、105冊の本を紹介しています。

本書も当初は一冊当たり8ページくらいの「行儀のよい本を」作ることを

考えていたようです。

出来上がってみれば、えこひいきのある、著者の思い入れによってページ数に

メリハリを付けた本に仕上がっています。

 

本書の優れた点の一つは、それぞれの時代背景、その当時の英語教育に

ついての国の方針などの文脈の中で、それぞれの本を正当に評価しようと

していることです。

 

私も多くの英語本を読んできましたが、同じ内容が書かれている二冊の本が

あれば、最初に手に取った本の方が印象が強く、結果として高い評価を

与えてしまいます。

 

これを歴史の中に置くことで、「最初にそれを主張した人が偉い」「そんな

時代にこんな事を考えていた人は偉い」という、本来あるべき公平な評価が

できることになります。

 

もう一つの素晴らしい点は、著者が出版社で英語教材の編集を永らく

行ってきたことによるものですが、いわゆる「ハウツー本」以外に、

参考書や単語集までカバーされていることです。

 

私もメルマガをやっていて、一週間で一冊読んでさらに書評まで書く

慌ただしさですから、文法書の通読や単語集の通読は間に合いません。

 

本書のような本が出てしまうと、私のメルマガの役割はもはや残って

いないのではと考えてしまいます。

 

今回は書評本の書評をすることとなるので、本書への評価か、引用された

本への評価か紛らわしくなったり、あるいは引用の引用となる箇所も

あったりして読みにくいところもあると思います。

私の表現力のいたらなさによるものです。ご容赦ください。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■内容

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

・1940年代

1945年に戦後間もなく出された「日米会話手帳」は360万部のヒットと

なったわけですが、発音についてはカタカナ表記でした。

1946年からNHKラジオ英会話が始まり、その時もカタカナ表記なのですが、

例えば

 

Can’t you open it? ケーンチューオゥプネット

Wait a minute. ウェイラメネット

 

などのように、ちょっと前の中学英語のカタカナ表記とは異なり、発音を

できるだけ(米語発音に)近づけようと言う努力が見られます。

 

私自身は発音記号派なのですが、最近またカタカナを使っての発音表記の

実験が為されているようですから、昔に戻っているということでしょうか。

(ミシンも machine の発音表記から来たとどこかで読んだ気がします)

 

もう一つ興味深かったのは1947年の「指導要領(試案)」の英語教育の話です。

「英語で考える習慣を作ること」が英語教育の目標に一番目に書かれている

とか、「一学級の生徒数は30人未満が望ましく、授業は毎日1時間/週

6時間が至当」などと書かれていると知ると、その通りに実施されていたら

と思わずにいられません。

 

 

・1950年代

著者の文法書選びのコツが書かれています。

「英文法の参考書を選ぶときは、『この著者はこの項目をどう料理している

だろう?』という固定した『視点』を持って読み比べ」るのですが、著者の

場合は「SVO+不定詞」の構文の説明ぶりを基準にするとのことです。

 

著者は「英文法解説」(江川泰一郎 金子書房)を「この本には独特の味が

あり、とにかく面白く読めるのである」と勧めるのですが、548ページの

本ですからねえ。

アマゾンはこちら

http://www.amazon.co.jp/dp/4760820094/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

 

・1960年代

「アメリカ口語教本」のパターンプラクティスについて

「このパターンプラクティスは、当時中学校の授業にも熱狂的に採用され、

やがてブームが去ると、あっという間に顧みられなくなった」(56ページ)

 

機械的で非人間的だという批判があったとのことですが、機械的で

非人間的な練習は外国語に限らず、スポーツでも何でもいろいろあります。

「パターンプラクティスでは上達しない」のではなく、「パターン

プラクティスだけでは上達しない」というのが正しいところだと思います。

この本で実力を付けた人が著者の周りにもたくさんいらっしゃるそうです。

 

・1970年代

「英文解釈教室」の伊藤和夫氏のエピソードで

「英語で食っていこうと思ったら一万ページを目標に読め」と言ったらしい

というくだりがあります。(120ページ)

多読は重要だと思います。最近の多読ブームは良い傾向だと思います。

 

同じく伊藤和夫氏の言の引用

「英語自体から事柄が分かること、つまり訳せるから分かるのでなく

分かるから必要なら訳せることが英語の目的である」(123ページ)

 

最近は「英語を英語のまま理解する」ことを強調するあまりに、日本語に

訳すことを軽視する意見もあります。

しかしながら、松本道弘氏や渡部昇一氏が言うように、日本語と格闘する

ことが重要であることを私も感じています。

 

(125ページ)著者のコメントで、「なぜ、文法を軽視せずにコミュニ

ケーション・スキルを上げる方法が議論されないのか、不思議でならない」

とあります。

私も同感です。「両方やれば良いじゃないの」ということなのですけどね。

 

 

・1980年代

「起きてから寝るまで」シリーズが紹介されているのですが、これが

19世紀の外国語教育法「グワン式」から来ているとは知りませんでした。

(そもそもグワン式という名前を初めて知りました)

台湾における日本語教育でも素晴らしい効果をあげたとのこと。

試してみたいと思います。

 

・1990年代

特に私には響きませんでした。

井上一馬「英語できますか 究極の学習法」は3年前に読んだのですが

パッとしませんでした。(その後読んだ別の本もパッとしなかったので、

井上一馬氏の本は読まないようにしていました)

私自身が成長したかも知れませんので再度読んでみたいと思います。

 

・2000年代

特にありません。「究極の英語学習法」(PHP新書 岡本浩一)は取り上げ

られるべき本だと思っています。

 

第8章は「究極の英語学習法」と題して、著者のアプローチが提示されます。

1 学習の抵抗感をなくす

2 音読と暗唱を繰り返す

3 リスニングを他の三技能に先んじる

4 継続が不可欠

5 まず盤石の基礎を築くことが肝要

など、エッセンスが提示されるのですが、ページ数が限られているので

著者の別の著作を読んでみたいと思いました。

 

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■おまけ

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個別に取り上げられた23冊/シリーズ以外にも、多くの本が紹介されて

おり、英語本収集家には参考になります。(私も三冊購入しました)

 

取り上げられている本に関して、著者と受け止め方が異なった部分が一部

あって、出版社経由コメントしたところ、重版から内容を修正するとの

ご連絡をいただき、また著者のHPにおいても、その旨を記載頂きました。

他にも修正があるようですので、初版を買い求められた方は、こちらの

正誤表をご覧ください。

http://y-hareyama.sakura.ne.jp/

 

 

仕事が少し忙しくて、メルマガの発行が二日遅れました。

ごめんなさい。

 

床屋に行く暇もなく、髪の毛が爆発しております。(前回の床屋から二ヶ月

経過しました)

 

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■発行者略歴

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澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)

1962年生まれ。福井県出身。証券会社の経理マン

 

2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠

(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。

 

 

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2008/05/27

[]043号 「英語の学び方」 20:25 043号 「英語の学び方」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 を含むブックマーク はてなブックマーク - 043号 「英語の学び方」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 043号 「英語の学び方」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 のブックマークコメント

 

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■今週の本 「英語の学び方」

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買う??: ★★★★☆

アプローチが正反対に見えた二人が、根っこのところでは近いと思えました。

対談ものとして読んでも面白いです。

 

お薦めする方

読み物としては一般向きですが、勉強法は上級者向きです。

 

 

「英語の学び方」 渡部昇一 松本道弘

ワニのNEW新書 1998.05

アマゾンはこちらから

http://www.amazon.co.jp/dp/4584103054/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22


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■エッセンス

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英語学の第一人者にして日本のオピニオンリーダー渡部昇一氏と、独学で

英語を学びNHKテレビ英語上級講座の講師、アメリカ大使館同時通訳

などを務めた実戦派のチャンピオン松本道弘氏が、みずからの体験をまじえ

ながら「どうすれば英語が上達するのか」をあらゆる角度から徹底的に論じ

合った英語上達の秘訣書。

(Amazonより)

 

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■内容

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

第1章 私たちの英語少年時代

 

渡部:(戦時中の勤労動員が終わって)

・英語の入門書を書き写した。

・戦前の受験英語の参考書を書き写した

・文法が面白くなったので、英会話から離れ、英語の先生になろうと決めた

 

松本・渡部共通

・同じ映画を何回も見て英会話を学んだ。対訳シナリオを活用した

 

これは重要

渡部「心がけしだいでは、英語の勉強は母国語との違和感に対する感じを

非常に敏感にしますね」(23ページ)

英語を英語のまま、日本語を介さずに学ぶ場合、訳すという作業を行わない

ことで、2者の間のズレを認識しないで終わる。

このズレから、両者の世界認識の差を知ることができるのに。

と言うことでしょうか。

 

 

第2章 日本人が英語を学ぶということ

 

松本「ハングリーな状態に置かれたほうがいいんです。」(37ページ)

渡部「ぼくなんかも一部そうだけれども、いまの若い人たちとは宮本

武蔵的な気魄のギャップがあるんですね」(38ページ)

ということで、やはりモチベーションが重要ということです。

 

松本「ぼくは、英語の学び方について、こういう発想があるんです。

大ざっぱに分けて、日本人にもゲルマン気質とラテン気質があると思う。

どちらであっても、英語はマスターできない。有段者になるためにはね」

(48ページ)

勉強一辺倒でもなく、会話一辺倒でもなく、両方バランスを取る必要が

あるということです。

これは重要。

私も口べたの引っ込み思案なのですが、外国語になるとおしゃべりに

なります。(そうするように気をつけていたらそうなった)

 

(日英の発想の違いについて学ぶ重要性について)

松本「名古屋の中学の英語の先生が、ブレスレットを買いに行ったら、

ちょっとゆるかったんですね。そこで彼が、A bit loose. と言ったら、

それを聞いて向こうはまたゆるめちゃったんですって。つまり、日本人が

いうのは、『ゆるい、だから締めてほしい』という『締めてほしい』という

結論の部分を、相手に察しさせる。自分ではいわないほうがいいんですね。

ところが、外国人はいわれたことが結論だと思っていますから、また

ゆるめちゃった」

 

この部分については、松本道弘「英語アレルギーの治し方」(ワニのNEW

新書)23ページに類例がでています。

例えば、

「電話が鳴っているよ」を英語にすると、The phone is ringing. ではなく、

Get it. (電話を取ってください)

というようなものです。(これは非常に新鮮でした)

 

 

第3章 こうすれば英語力は倍加する

 

学問を勉強したからといって、週刊誌がスラスラ読めるようになるとは

限らない(113ページ)と悟って、渡部氏は、34/35歳頃に、タイムズや、

タイム/ニューズウィークを読んで単語帳を作って単語を覚えるという

作業をしました。

また、小説を読んでゾクゾクするようにならなければと、40歳近辺では

小説を山のように読んだとのことです。

 

渡部氏は英語を読む根本は、語彙力だと言い、Word Power Made Easy

などのボキャビルの本を使ったトレーニングを推奨します。

これに対して松本氏は、ボキャビルよりも多読によって語彙を増やすべきと

主張するわけですが、渡部氏の説く、土壇場でも役に立つボキャビル

(接頭辞・接尾辞など、語源をベースにしたものと推測します)については、

同意しています。

 

また、渡部「やっぱりわれわれの観念の中で外国人というイメージが

あるから、日本人にはない顔をした人を英語の先生に、わりと早い段階から

持ってくるべきだと思うんだな。そうすると、反射的にそう言う顔を見たら

英語が出る(笑)」(110ページ)とありましたが、学習者側の心理面からは、

これは正しいような気がします。

一部の語学学校で、アジア系アメリカ人や黒人が採用されないケースが

あったと以前聞いたことがありますが、差別というわけではなく、学習

効果を考慮したものかも知れません。

 

 

第4章 受験英語をどう生かすか

 

渡部「受験英語は、正確に読む訓練を短期間につけるのには、実に有効な

方法だとぼくは信じて疑わない」(146ページ)

「ぼくは外国語教育が、単なるコミュニケーションの技術ではなくて、知能

開発ということを考えますので、受験英語はいいと思いますね」「受験英語に

よってのみ、日本人は、いま知的な日本語作文を習っています」(147ページ)

 

松本「文法以外に(国語の時間にやらない)発想とか論理を(英語の時間に)

教えて欲しい」(158ページ。ただし( )内は私が補記しています)

 

しっかり読むという訓練をやっておけば、そのあとの会話は比較的容易だと

私は思います。

また、英語をしっかりやることで、自分の日本語を相対的に見ることができ、

論理的に使えるようになります。

 

さらに、訳することを通じて、外国との発想の違いを学ぶことができる

わけです。

と言いながら、第5章に続く

 

 

第5章 英語と日本語の違いを知る

 

英語と日本語のロジックの違いについて、例をあげて説明しています。

日本語は家の中でしか通用しない「屋内語」(「おい、あれ持ってきて」の類)で、

英語は屋外語という渡部氏の定義は面白いです。

主語がはっきりしない日本の新聞の社説を英訳すると、無理矢理に文の

主語は選ぶわけですが、動作の主体が曖昧なのでモヤモヤとした文章が

出来上がります。

 

ただ、今後は日本語も屋内語から屋外語に変わっていくのではないでしょうか。

自動翻訳が自然言語に対応できないであろうという一方で、自然言語が

自動翻訳を片側で意識しつつ、明瞭な屋外語になっていくならば、自動

翻訳の精度も上がっていくことでしょう。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■感想

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

私のお気に入りの二人の対談で、とても面白かったです。

 

それはそれとして、最近コーパスなど、頻度順の単語集を良く見かけます。

思い切り多読・多聴すれば、自然に頻度順に覚えるのではないかと思うの

ですが、どうなのでしょう。

歳を取るとますます単語集で覚えるのがつらくなります。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■おまけ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本書と合わせて、以下の2冊を読みました。

内容がそれぞれつながっていて、こちらで匿名で書かれている人が、他の

ものでは実名になっているとか、他の本の内容を明示せずに参照している

ケースもありましたので、まとめて読むと面白いと思います。

 

「英語アレルギーの治し方」 松本道弘

ワニのNEW新書 1998.05

アマゾンはこちらから

http://www.amazon.co.jp/dp/4584103011/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

 

「聞く」に対するアプローチが興味深いです。

また、「英語で日記を書くことが、私自身のスピーキングを助けた」(139

ページ)としている他、Give と Getで有名な松本氏が、「giveやgetを

用いた口語文は質が落ちるので文章ではあまり使うべきでない、という人が

多い。私もそう思う」(149ページ)としているのは、興味深かったです。

 

「英語教育大論争」 平泉渉 渡部昇一

文春文庫 1995.08

アマゾンはこちらから

http://www.amazon.co.jp/dp/4167204037/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

平泉氏は、私と同じ福井県出身。本書での対談の司会の鈴木孝夫氏と同じく、

選ばれた者だけの英語を主張しているので、いつもの私なら平泉氏に肩入れ

するところですが、先日「英文法を撫でる」(渡部昇一著 PHP新書)を

読んで以来の渡部氏ファンの私は、ここでも渡部氏に肩入れして読んで

しまいました。

 

誌上論争、および対談では意見にすれ違いが見られましたが、二人の「語学

学習法」を並べて読むと、歩み寄れる部分はいろいろあったのではないかと

思いました。

 

渡部氏の入学試験の英語のテキストを事前に決めておくという案はとても

良いと思いした。

 

また、平泉氏が「私自身、福井県の山の中でくる日もくる日も、殆ど一日中、

フランス語で『ひとりごと』をいっていたことがある」と言うとき、大学

時代にアルバイトの帰りに家までひとりごとを言っていた自分と重ね

合わせて、平泉氏が身近に感じられました。

 

 

おまけのお薦め

「英文法を撫でる」 渡部昇一

PHP新書 1996.12

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ついでに

「Word Power Made Easy」

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■発行者略歴

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澁澤寅彦 (しぶさわとらひこ) (ペンネームです)

1962年生まれ。福井県出身。証券会社の経理マン

 

2002年から2005年の四年間に、英仏伊の3カ国語それぞれで三冠

(ガイド試験、検定1級、EUのC2レベル試験)を達成した。

 

 

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メルマガ名: 語学の虎の巻[書評]英語・外国語学習法

発行者 : 澁澤寅彦 ( shibu.tora@gmail.com)

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配信停止 : http://blog.mag2.com/m/log/0000238273/

 

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2008/05/20

[]042号 「外国語をどう学んだか」 16:45 042号 「外国語をどう学んだか」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 を含むブックマーク はてなブックマーク - 042号 「外国語をどう学んだか」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 042号 「外国語をどう学んだか」 - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 のブックマークコメント

 

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英語・仏語・伊語 トリプル三冠王による

語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法  - 042号 -

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■今週の本 「外国語をどう学んだか」

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買う??: ★★☆☆☆

微妙なところです。

それぞれの方がバラバラの事を言っているので混乱してしまうかも。

 

「外国語をどう学んだか」 現代新書編集部

現代新書 1992.03  

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■エッセンス

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(表紙より) 

英語・仏語からアラビア語・タイ語まで・外国語習得の難関をどうくぐり

ぬけるか?単語・文型・名作丸暗記の力業から、各種メモ・秘密ノートを使う

巧技、恋愛という裏技まで、知の世界で活躍する34人が上達法を公開。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■いきなり内容と感想のごちゃ混ぜ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

英語、その他の外国語の上達法を並べて書くことで、複数の外国語に

共通する上達法、一つに外国語に特有の上達法が見えてくるのでは

ないかと興味深く読み始めました。

が、240ページの新書の中に34人を押し込むと、1人当たり6~7

ページしかなく、表面的な記述に留まっているのが残念です。

 

また、「間違えていても、何か一言でも口に出す」(109ページ 鮫島有美子)と

説く人がいれば、「初級段階では、いきなり話し出そうとせずに、あらかじめ

単語と構文を選択し、頭の中で最低限の思想を組み立てるようにしたほうが

いい」(78ページ 鹿島茂)と説く人もいたりで、読者はどうしたらよいのか

迷ってしまうかも知れません。

 

そもそも「知の世界で活躍する34人」の学習法が、留学だったり、海外

駐在だったり、昔のスパルタ授業だったりで、現代の国内独学派には参考に

なりにくいかも知れません。

 

本書のような(方向感がよく見えない)寄せ集めではなく、例えば斎藤兆史

「英語達人塾」のように、選者の思考に合わせた集め方の方が、読んだ

ときの統一感はあります。

 

しかしながら、最近思うのは、人によって目指すものが異なり、勉強の

スタイルが異なるわけですから、それぞれが自分のタイプに合った学習法

モデルを見つけられるように色々なタイプの上達法を提示することにも

意義があるのではないかということです。

 

世間ではほとんど見向きもされない少数派の勉強法でも、それでその人が

上達するならば、その人にとっては最高の勉強法と言うことになります。

 

(その点からは、私が気に入った勉強法しか取り上げないこのメルマガは

万人向けではなく、私とスタイルが似ている人にしか役立たないと言う

ことになります)

 

「病気になれば医師を訪ね、法律のことで問題が起きれば弁護士のもとに

走る。(中略)では外国語の習得に関して困ったときには、いったい誰に

相談すればいいのだろうか。(中略)中学・高校の英語の先生は中等教育の

専門家ではあるが、語学教育の専門家ではない」(61ページ 東後勝明)

学習者それぞれのニーズ・スタイルを明らかにして、それぞれに合った

勉強法をアドバイスできる人が求められていると言うことでしょう。

 

 

「言葉は手段である」

 

言葉は手段にすぎないから、それを使って何を語るのかが重要であると

いうコメントが多くありました。

「言葉は器である」とも。

 

確かにそのような面はあるのですが、語学学習法を求めている読者に

「言葉は手段でしかない」と言うのは、自転車の乗り方を知りたがっている

子供に「自転車は手段でしかない。それでどこに行くかが重要だ」と

言うようなもので、あまり生産的ではありません。

 

言葉は手段に過ぎない部分があるとして、その手段を手っ取り早く身に

つける方法を多くの人が求めているわけです。

 

他方、言葉は単なるツール以上のものであると考える人にとっては、

 

「”外国語早わかり”式の考え方は、一つの言葉を決まりきった客体のように

扱う。言葉の方法論は、それが手段である場合、能率をあげる点で意味が

あるだろう。いや、きっとある。しかし、少しでも手段以上の効用をおびた

時、方法論がバカを見る。能率などあがるはずがない。仮にある時点で

能率をあげたとしても、別の時点で必ずやその言葉に復習される」(104

ページ 池内紀)という言葉が心地よいでしょう。

 

 

「学校英語教育」

 

「日本の英語(外国語)教育は、ひとりの英語好きを生むために十人の英語

嫌いを再生産し続けていると言われている」(12ページ 筑紫哲也)という

くだりを読むとき、自分が幸運な一人であったことを感謝するわけですが、

それは

 

「英語(外国語)を教える側は、当然のことながら学問的にも正確な英語を

教えようとする。しかし、考えてみれば習うほうにとっては、それでは

あまりに目標が高すぎる。あまりの難しさやあまりの面倒臭さに少なからずの

学生・生徒が嫌気をさして英語学習から脱落していく」(48ページ 平野

次郎)ということなのでしょう。 

 

入学選抜試験で、点数に差が出るためには、頻度の少ない単語や文法事項を

問題に出すことになり、受験勉強はそちらに引っ張られてしまいます。

 

学校英語が基本語彙と基本文型の反復練習で、頑張れば誰でも百点を取れる

ような授業・試験に変わっていくのが望ましいと私は思っています。

 

日本語を学習したロシア人、セルゲイブランスキーさんは、非常に易しい

テキストを使った発音練習を続けたことで、

 

・発音が上達

・表現が「内在化」され、母国語で考えなくても必要なときに必要な表現が

出るようになった

・「内在化」された簡単な表現で多くのことを言い表せる

 

ようになったということです。(231ページ)

興味深いです。

 

「つまり、語学は経済と同じで、限られた資源の有効利用が鍵である、と。

ネイティブ・スピーカーよりも自分のほうが常に語彙等の言葉の資源が

少ない。それらを増やすことも大事だが、それだけに集中して活用に力を

入れないと、過剰な設備投資をしている企業と同じである。遊休設備を

持ってはならない。持っているものを完璧に生かせるようになってから

もっと難しい文法とより広い語彙を順次マスターすればよい。数百語

ぐらいの語彙と簡単な文法さえあればほとんど自分の意思を何でも相手に

伝えられる」(231ページ)

 

 

「単純繰り返し暗記作業を愚直に続ける」

 

これが一番のポイントで、一番難しいことかも知れません。

 

フランスの刑務所にいる間にフランス語を覚えて、出所後フランスの

ギャングと組んで現金輸送車を襲撃した男がいたことに触れて

 

「つまりこの男の例は、人間は誰であろうと外国語を身につける能力を

持っているが、そうした潜在的な能力が発揮されるためには少々

アブノーマルな状況や強制が必要なことを物語っているといえよう」

(34ページ 関曠野)

 

あるいは、

「外国語を学ぶのに才能などいらないのではないかとわたしは考えている。

しいていえば物真似の才能、サルの才能で十分である」(225ページ 

関川夏央)

と言われても、サルは飽きることは無いが我々は飽きてしまうのです。

 

 

これ以外には、「音痴は外国語習得に向いていない」というコメントが複数、

また「書き言葉をマスターしてから会話を学ぶほうが楽である」(188ページ 

竹山博英)というコメントがありました。

 

 

 

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■おまけ

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先週読んだ他の本

 

「やっぱり英語をしゃべりたい」中尊寺ゆつこ 祥伝社 2005.03

http://www.amazon.co.jp/dp/4396612370/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

亡くなる四日前までこの本の校正をやってらっしゃったそうです。

読み物としても面白いです。

 

「英語は30代になってから」と説く、そのこころは「20代っていうのは

自分のキャリアの土台を築く時期。大学を専門分野に分かれて、仕事を

覚えて、経験を踏んで、ある程度の実績を挙げていく。そういう土台を

つくる重要な時期に、特に英語が必要でもないのに、無理矢理時間を

つくって勉強する必要はないと思うんです」

確かに。

 

「英語が話せるようになるためには、何よりも文法が大切」という

アプローチです。

 

 

「英会話攻略はこれしかない!」阿部憲二 洋泉社新書 2001.06

http://www.amazon.co.jp/dp/4896915429/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

これは読まなくて良いです。

洋泉社のサイトでもヒットしなくなっています。

 

 

あと何回か

 

週末に遠路はるばる京王堀之内のアイスクリーム屋までアイスクリームを

食べに行ったのですが、その帰りに近くのブックオフで英語学習法書籍を

買い込みました。

住宅街のブックオフは良いですね。

 

とは言っても、新しい発見が少なくなっているのは事実で、一応、第50号を

最終号として進めていきたいと思っております。

 

最後までお付き合いください。

 

 

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2008/05/13

[]041号 「英語のたくらみ、フランス語のたわむれ」  19:48 041号 「英語のたくらみ、フランス語のたわむれ」  - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 を含むブックマーク はてなブックマーク - 041号 「英語のたくらみ、フランス語のたわむれ」  - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 041号 「英語のたくらみ、フランス語のたわむれ」  - 語学の虎の巻 [書評]英語・外国語学習法 のブックマークコメント

 

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英語・仏語・伊語 トリプル三冠王による

語学の虎の巻 [書評] 英語・外国語学習法  - 041号 -

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本日5/13は妻の誕生日です。

 

 

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■今週の本 「英語のたくらみ、フランス語のたわむれ」

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買う??: ★★★★☆

私が語学学習書の放浪の旅に出たのは、この本がきっかけだったような

気がします。

多くの魅力的な本が紹介されています。

語学にとどまらず、翻訳、文学に興味のある方、フランス語もやって

らっしゃる方には特にお薦めします。

 

「英語のたくらみ、フランス語のたわむれ」 斎藤兆史・野崎歓

東京大学出版会 2004.07  

アマゾンはこちらから

http://www.amazon.co.jp/dp/4130830392/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

 

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■エッセンス

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東大の英語とフランス語の教師が、語学/翻訳/文学について熱く語る

本です。

 

章立ては以下の通りです。

1.外国語の学び方

2.語学はコミュニケーション?教養?

3.翻訳はどのようにしたらよいか

4.翻訳家という仕事

5.文学の体験

6.文学は何の役に立つか

 

先週のメルマガに取り上げようと思ったのですが、語学話ならまあまあ、

翻訳話はかろうじて少し、文学話だとお手上げの私は、一旦見送りました。

 

今回はツッコミどころをピックアップしてお届けします。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■内容

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

その1 語学

 

斎藤:「僕が信念のごとく言い続けているのは、書き言葉からしっかり入って

いくべきだと言うこと」「文法から入り、読解をやる。その基礎ができている

人は、それこそ外国にある期間留学すれば、わりあい早いうちにいわゆる

いまの人がいうコミュニケーション能力というんでしょうか、運用能力と

いうのは身につくと思うんですね」(10ページ)

斎藤氏のいつもの主張です。

 

野崎氏が高校時代アンドレ・ブルトンにかぶれて「何としても読みたい。

それを読むことを先決問題としてやっていても、日常会話に降りていく

ことはまあ不可能ではないと」(17ページ)と言うのに対し、斎藤氏は

「降りていく」という表現が気に入ったと言って

「要するに、そこまで志が高い人は、日常会話なんて降りていけばいいだけ

ですよ」(18ページ)と述べます。

 

さらには

「上から見ているから、ああ下がちょっと足りないなというのがわかる

わけで、下にいる人間は上がどこまであるかわからないわけですよ。だから、

いまそういう語学のあり方って批判されているわけです。とにかく日常的に

使えればいいんだという考え方がある」(19ページ)と書きます。

 

この一連のやり取りをこのように切り抜いてくると、「僕たちは外国語できる

(上にいる)人、あなた達はできない(下にいる)人」と言っているように受け

取られるかも知れません。

それは私の引用の仕方のまずさによるものです。

 

3km なら3km 、同じ距離の道を歩く場合でも、通い慣れた道を行くのと、

初めての街を、「本当にこの道で正しいのか、たどり着けるのか」と悩み

ながら行くのとでは、時間・距離の長さの感覚が異なります。(後者の方が

長く感じられます)

 

外国語を一つマスターした人が、二つめをやる場合に簡単だと言われるのは、

(私の英仏伊語のように)近い言語の場合に類推が働いて学習の省力化が

可能だと言うこともありますが、どのようなプロセスを経てどのくらいの

学習量でどこにたどり着けるかが分かっていることで、距離に対する不安が

少ないと言うこともあるのではないでしょうか。

 

距離に対する不安から、目標をことさらに低いところに置いてしまうことも

あるでしょう。

 

もちろん、誰もが翻訳・文学評論レベルまで到達しなければならないという

わけではありませんし、日常会話レベルを目指す外国語学習もあってしかる

べきです。

 

ただ、大学でも「実用英語」を求める声が極めて高まっていることで、

それへの反論としての、研究活動につながる高度の外国語能力を意識して、

このような展開になっているということでしょう。

 

20ページでは齋藤孝氏の説を引用して「たとえば日本語能力が100%ある

人は70%まで外国語能力を持っていけるけれども、50%の人間が50%の七割

外国語を習得するかといったらそうじゃない、やっぱり日本語能力が低ければ

そっちはさらに低いと」と書いています。

 

以前にも書きましたが、このようなコメントは「外国語能力」「日本語能力」を

きちんと定義しないと、そもそも正しいかどうかの議論ができません。

 

野崎「ほんとうに自覚的に英語を探求するということは、それを常に自分の

日本語と照らし合わせることと切り離せないし(以下略)」(53ページ)

英語を英語のまま、日本語を介さずに理解するという「プロセス」は、

運用能力のところで問題になってくるのでしょうが、外国語を学ぼうと

しているその瞬間においては、母語と照らし合わせて吟味していくという

アプローチは必要でしょう。

 

シュリーマンの学習法も、辞書を使わない、文法書を使わないということで、

母語を介さないと言う風にとられていますが、母語で(或いは他の言語で)

理解している馴染みの物語を新しい言語で読んでいく勉強法は、母語と

比較しながら新しい言語の位置を定めていっているように見えます。

 

斎藤「いまは英語一辺倒になっていから、英語で考え、英語で議論することが

あたりまえになってきている。こんなことをやっていたら当然母語能力が

低くなるに決まっているけど、しかし母語能力もそれで高くなるんだと

いう幻想でやっているからね」(63ページ)

 

日本語はみんなできるという前提で始めているが、そうではないと言う

ことです。

ここの部分も、さらに細分化して検討する必要があるでしょう。

語彙や表現が足りないという話なのか、日本語であっても語る内容を

持たないと言う話なのか、ロジカルに読み書きする能力が足りないという

話なのか。

 

その2 翻訳

 

斎藤「どうしても日本語にならない部分があるからこそ他者なのであって、

それを積極的に見ないといけない。特にいい翻訳であればあるほど、そういう

不自然な部分はきちんと残るはずで、それはもっとはっきり評価すべきだと

思いますね」(90ページ)

 

訳がこなれていないのではなく、訳せない部分がある。それは日本に

存在しないモノだったり概念だったり。

 

昔の人は苦心して漢字を当てて、新しい訳語を生み出していったわけですが、

最近はそのままカタカナにして取り込んでいるという批判がされることが

あります。

 

斎藤「日本に伝わってきている『般若心経』は面白い教典で、日本語に

なっている部分と『羯諦羯諦(ぎゃーていぎゃーてい)』なんて、もともとの

音がそのまま漢字に表記されている部分がある」(105ページ)

ここを読むと、漢字を音に当てただけの「新」語が紛れ込んできたのでは

ないかと思われます。

中国語で「カラオケ」に漢字を当てて「卡拉OK」とするようなもので

しょうか。(OKは漢字か?)

そうであれば、カタカナのまま取り込むという態度も今に始まったことでは

ないことになります。

 

上に述べた、「日本語と対比させて」に関連して、大江健三郎の「三角形の場」

という考えが紹介されています。

「私という小説家の作り方」の中で、次のように書いているそうです。

「私にとっては、フランス語を読む――英語を読む――ということは(中略)、

もう一方に日本語での表現を対置してみる、ということにこそ意味がある

のだった。私には、フランス語のテキスト――あるいは英語の――と日本語の

それ、そして自分(の言語)という三角形の場に生きていることが、もっとも

充実した、知的また感情的な経験なのだった」(116ページ)

 

斎藤「明治の作家なんて、ほとんど翻訳を通して、自分たちの文学を

確立していったんですよね。」

野崎(村上春樹について)「三島や大江よりもチャンドラーやフィッツ

ジェラルドの後継者という感じです」(117ページ)

 

野崎「原作のよさと翻訳のよさはやっぱり切り離せないとしか言いようが

ないな」(141ページ)

どちらかがまずいと、良い翻訳作品ができないということです。

東芝のテレビのコマーシャルの画像がきれいだと思って、そのコマーシャルを

見ていたのがシャープのテレビだった場合、どちらのテレビも画像が

素晴らしいと言うことでしょう。

 

 

その3 文学

 

今の私にはツッコミの場所もつかめませんでした。

 

 

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■感想

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

実は私は文学部卒なのですが、大学時代は不真面目で、かろうじてやって

いたのは語学だけでした。

文学作品を「読む」というのも、面白かったかそうでなかったかという

表面的な読みしかできず、お恥ずかしい限りです。

 

何年か後に、文学のセクションを読み直して、つっこめるようになって

いると嬉しいです。

 

 

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■おまけ

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今週読んだ他の本

 

「メジャーリーグで覚えた僕の英語勉強法」(長谷川滋利著 幻冬舎)

http://www.amazon.co.jp/dp/4344409167/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

先週のメルマガで、

「イチローや松井だから、ああいう英語で済んでいるのである。彼らには、

野球選手として世界に通用する一流の技術がある。極端な話が、彼らは

英語など器用に話せなくても、バッターボックスに立てさえすれば、それで

仕事ができるのである。つまり、一流の技を持つことで、英語から自由に

なっているのだ」

という引用を「日本人に一番合った英語学習法」(斎藤兆史 詳伝社黄金文庫

2006.03)から行いました。

 

長谷川投手は、メジャーに行く前も、行った後もコツコツと勉強していた

と分かって感動でした。

 

 

「挫折なしで英会話ができる「英語耳」9つの法則」(松澤喜好著 

アスキー新書)

http://www.amazon.co.jp/dp/4756149154/ref=nosim/?tag=gogakunotoran-22

この方の「英語耳」のアプローチはとても良さそうだと思っていて、本も

大分前に買って積んであります。

いつの間にかその続編の「単語耳」というのがシリーズで出ているらしいの

ですが、全4巻で結構な値段がするので、「『単語耳』のノウハウが凝縮

されている『理論編』を少しだけアレンジして”独立させた読み物”に仕立て、

より廉価で発売したいと考えました」(11ページ)として出されたのが

この本です。

「単語耳」もそのうち見てみたいと思いますが、この本もとても面白い本だと

思いました。

 

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