Hatena::Groupshibutora

語学の方程式 英仏伊語トリプル三冠王 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2008/03/30

日本通訳学会 第7回翻訳研究分科会

18:48

 

日本通訳学会の第7回翻訳研究分科会に参加してきました。

http://blog.goo.ne.jp/teki-mizuno/e/8b56bfdf9a4e261dd34913a5b75e62f3

 

Robert De Silva教授(神田外国語大学)による、天声人語の英訳に見られる explicitation の研究結果の発表と質疑応答でした。

 

翻訳についてはこれまで何度か書きました。「何も足さない、何も引かない」というサントリーウィスキー「山崎」のコピーを使って説明しています。

前回の記事はこちら

http://shibutora.g.hatena.ne.jp/shibutora/20071202/1196573004

 

今日の発表で面白かったのは、「何も足さない、何も引かない」にも修正が必要であるということでした。

 

「日本語では主語や冠詞が無くても英語に訳すときにはそれを補わなければならない」とか、「『こいのぼり』とそのまま書いても分からないから、説明を追加しなければならない」というレベルの話であれば、引き続き「何も足さない、何も引かない」の範囲内として良いと思うのですが、アメリカ英語においては、例えば

 

・人名を最初に引用するときはフルネームで引用する。分かり切っていても George W. Bush と引用する

・時代については年号を入れる。例えば Meiji Period (1868-1912)のように

というような、target journalistic norms と呼ばれるものや、

 

・日本の起承転結の論理展開を、まず結論を持ってくるような形に作り替える

 

と言った、target rhetorical norms もあるそうです。

 

概して英語の場合は説明責任が書き手にあるのでたくさん説明を書くのに対し、日本語は理解する責任が読者側にあるという話もありました。

 

ということで、概して翻訳によって訳文の方が長くなってしまうとのことです。

いずれにせよ、Target audience を想定しないといけないわけですが、英語に訳すからと言って、必ずしも英米人が読むわけではないわけですから、(英米人には当然であることも)追加する必要があるのかも知れません。

 

マンガの英訳については、吹き出しの制約があるので語数が限られているものの、その場合は読者が「日本的なもの」として受け入れる準備が出来ているので構わないのだそうです。

 

一日一回クリッククリック 

にほんブログ村 英語ブログ 英語学習者へ